P5 NEWS      SHONAN TAX OFFICE NO.258   
 

 
平成23年4月1日
 
3・11
 

 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、国内観測史上最大のマグニチュード9.0を記録し、それに伴う津波と火災では多くの犠牲者を出しました。影響は、福島原子力発電所にも及び、退避指示の下、数十キロ単位の住民が町ごと避難し、そればかりか農産物等にも及んでいます。亡くなられたり行方不明になっている方は、2万人を超える大惨事となりました。

 11日(金)の、午後3時前に発生した地震は、関東でも今までにない長い揺れとなって現れ,物が落ちたりしましたが、その時は一部を除いては、大きな被害とはなりませんでした。その後数時間経つうちに、先日のニュージーランド・クライストチャーチ地震と同様に液状化現象が顕著になり、浦安、夢の島をはじめライフラインをズタズタにしました。その影響でしょうか、千葉県市原市の製油所の火災は、10日間も燃え続きました。

 関東地方を中心とした計画停電によって、生活も一変してしまいました。電話も通じません。エレベータに閉じ込められて警官が駆けつけてきたり、コイン駐車場では、車が出せずに途方に暮れている人もいました。真っ暗になった町で交通機関が再開されるのをただひたすらに待つ人の列、信号機の停止による交通事故など生活を直撃しました。

 今まででも地震活動は、日本各地に毎日のように発生していますが、3月9日ぐらいから東北地方沖に大きな地震が発生していました。現在、気象庁の地震活動情報の処理も遅れ気味です

 こちらでは、交通機関の混乱や停電から少しずつ元の生活に戻り始めましたが、避難所に暮らす被災地の皆様は、劣悪な環境を強いられています。特に先が見えない生活を送っている被災者の皆様には、心からお見舞い申しあげます。

 我々が出来ることは限られていますが、やれることをやることと一日も早い復興を祈るしかありません。

 

 
 








 

4月の税務・総務予定

(税務)
*申告所得税口座振替日            22日(金)
*個人消費税口座振替日            27日(水)


(総務他)
*4月の給与の支払時から健康保 険料と介護保険料の料率の改訂

 

 

 税務行政にも,少なからず影響を与えました。3月11日は、15日の所得税等の確定申告期限の直前だったために休み明けに,影響を受けた地域の税務署を中心に混乱がありました。

 このため、被災地域では3月11日以降に到来する全ての税目の申告等の期限が自動延長になり、被災地域以外でも計画停電で混乱したためなどで申請書を出すことによって申告期限の延長が認められました。14日、15日の申告期限間近には、署員が延長の申請書を配布するなど対応に追われていました。

 

 税制改正法案の年度内(3月末)の国会通過が困難になったため、3月31日に「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律」など,いわゆる「つなぎ法案」が国会を通過し、混乱を回避する措置がとられました。

 当初の改正では,既存の制度については,特例の縮減・廃止も入っていましたが、つなぎ法案では,適用期限が自動的に延長され、廃止となる予定だった特例も延長されました。これによって、3月までの期間が定められた特例は6月30日までとされました。すなわち、6月までは今まで通りとして、もう一度仕切り直すことになりました。

 主なところは、@中小企業者等の法人税率の18%の特例(改正では15%と予定されていました。)の延長(措法42条の3の2)、A法人税関係の租税特別措置の期限の延長(措法3章関係)。B住宅用家屋の所有権の保存登記の税率の軽減等、登録免許税関係の租税特別措置の期限の延長(措法5章関係)、C不動産の譲渡に関する契約書等に係る印紙税の税率の特例の期限の延長(措法91条関係)やD農地等に係る贈与税の納税猶予に関する経過措置の延長などです。

 

 被災された方の労務上の補償について厚労省では、「東北地方太平洋沖地震と労災保険Q&A」を出しています。その中から概略を紹介します。

 

Q.仕事中に地震にあって、会社のある地域に避難指示が出たので避難している最中に津波によりケガをした(死亡した)場合は、労災保険が適用されますか。

A.仕事中に地震があり避難することは、仕事に付随する行為となります。したがって、津波に限らず、避難行為中に怪我をされた場合は、通常、業務災害として労災保険給付が受けられます。

 

Q.父親が会社を出て帰宅途中と思われる時間
帯に、津波に遭い亡<なりました。通勤経路や
どのあたりで被災したかはわかりませんが、労
災請求できますか。

A.被災の状況がわからない場合であっても、明らかに通勤とは別の行為を行っているということでなければ通勤災害として認定されます。

 

Q.いつも電車で通勤していますが、電車が復旧しません。会社はオートバイでの通勤を認めていませんが、渋滞が激しく、オートバイを使わざるを得ません。このオートバイで通勤中にケガをした場合、補償の対象となるでしょうか

A.会社へ届け出をしていない又は承認を受けていない場合であっても、合理的な経路・方法の通勤であれば補償を受けること ができます。

 

Q.仕事中に被災してケガをしたので医療機関に受診したいのですが、津波により事業場が無なりました。この場合でも受診できますか。

A.今回の震災では、労災請求される場合に

 @ 任意の様式で請求できること

 A 事業主や診療した医師の証明がなくても受け付けること

 などの弾力的な運用がされます。

 病院に行かれた場合には、労災で受診したいと医療機関に申し出てください。

 

Q.会社から避難中にケガをし、保険証もなかったので全額自己負担で受診しました。今から労災申請できますか。

A.仕事中に避難し、その途中でケガをされた場合には業務上として労災保険の療養が受けられます。既に自己負担されていても、その自己負担分が労災保険から支払われますので、自己負担した金額が確認できる領収書などを添付して請求することとなります。

 

Q.地震で最寄りの病院が閉鎖し、受診できなくなりました。他の病院に通院していますが遠いので交通費が負担になっています。どうにかなりませんか。

A.労災保険では、片道が2 km以上の通院については、交通費(通院費)の支給ができます。通院費が支給されるのは、

 @ お住まいと同一の市町村の適切な医療機関

 A 同一市町村に適切な医療機関がない場合は、近隣市町村の適切な医療機関

 B @Aに適切な医療機関がない場合は最寄りの適切な医療機関

 となっています。

 省略

 

 

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税理士制度−14
 

 前回は、55年改正法のうち「税理士使命の明確化」についてお話しをしました。さて、その続きです。

 税理士の使命の明確化と共に、55年改正では税理士業務の適正な運用を行うために、税理士業務の対象となる税目の拡大、特別税理士試験制度の改正、登録即入会生への移行、他人が作成した申告書の審査に関する書面の添付制度の創設や助言義務に関する規定などの改正が行われました。

 55年改正で、税理士法2条の「税理士の業務」について,税目の範囲が拡大され、改正前から定められていた税務代理、税務書類の作成に税務相談がより具体的に規定されました。特に税務代理には、「税務官公署(・・)に対する租税に関する法令若しくは行政不服審査法 (・・)の規定に基づく申告、申請、請求若しくは不服申立て(・・)につき、又は当該申告等若しくは税務官公署の調査若しくは処分に関し税務官公署に対してする主張若しくは陳述につき、代理し、又は代行すること」とされました。従来は、申告、申請その他の事項につき代理することと規定されていました。この付け加えられた代行が問題となりました。不成立となった39年改正時でも答申で取り上げられたところです。

 「代理」とは、代理人が本人に代わって法律行為を行い、その法律行為は直接本人が行ったこととされます。「代行」とは、もともと本人に代わって事実行為を行う行為です。これについて、「税理士が納税者のためにいわゆる『税務代理』をする場合には,実際問題として,税務調査に際し,税理士が納税者のために事実の解明、陳述等法律行為とはいえない行為によって本人を援助する事例が非常に多い。このような行為が税理士業務に該当しないとなれば,納税者及び税理士の期待にに反することになる。それゆえ、本条第1項第一号は、この不都合を避けるため、『税務代理』には、法律行為の『代理』にとどまらず、事実行為の『代行』も含まれることを明らかにし」たと説明されています(『税理士法逐条解説[5訂版]』22頁)。「代行」を入れたことにより税理士以外の人が刑事法に抵触する恐れがあるとして「代行という法律的に熟しない言葉を使う以上は、もう少し法文の上で定義づけをはっきりすべき」だとした反対意見もありました(昭和54年6月5日、衆院・大蔵委員会安田委員)。

 

 この続きはまた。

 

 省略


編集後記 東日本大震災は、大きな爪痕を残しました。中江も岩手の大学は5月からとなり,また学生さんやご家族、ご友人などで被災された方もあり心が痛みます。消防士さん,自衛隊員をはじめボランティアの方がいち早く被災地に入り、救助・救援に当たっています。

 安心できる生活を一日も早く!!  

  編集発行 株式会社プランニングファイブ p5@shonantax.jp