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 P5 NEWS

      SHONAN TAX OFFICE NO.397  
  
 




 

 
令和4年11月1日
 
欧米の税制
 

 駅や観光地は人で溢れています。一方で10月11日(東京は20日)から観光需要喚起策として「全国旅行支援」がスタートしました。

 

 内容は、旅行最大40%OFF+地域クーポン最大3千円分が支給されるというもの。これは、菅前内閣時代のGo To トラベルの予算の余りから5,600億円が当てられるそうです。観光庁はせっかく獲得した予算を何としても利用したいようです。

 

 後で紹介しますが欧米では財政収支の均衡は重要な政策の一つになっています。我が国では、与野党とも余り積極的ではありません。

  

 今年の2月24日に始まったロシアのウクライナに対する領土拡大戦争の影響は、世界のエネルギー・食糧不足をもたらし、日本でも少し遅れて現れてはいますが、食料品を始め生活必需品は確実に上昇しています。

 

 例えば、英国の1年前と比べた上昇率は、

 

 Milk          42%(日本3%)
 Eggs          22%(同 8%)
 Jam         28%(同 7%)
 

です(10/25BBC、日本は一品目だけ)。

 

 日本でも11月に乳製品は10%程度の値上げが予定されています。

   多くの国で対ロシア貿易の制限をしていますが、中国のロシア貿易は逆に延びています。

   中国の9月の対ロシア輸出で   21.2%up

   その他           5.7%up

 と、対ロシア輸出が突出しています。

  そして、中国のロシア以外の主要な貿易相手国では、次のように減少しています(10/25シンガポールCNA)。

     US     −11.6%

   UK    −11.8%

   Garman   −5.6%

   France   −7.6%

 

 また、9月時点のアジア通貨の一年間の為替レート下落率です(9/29 韓国 KBS)。

 




 
Japanese Yen                    20%
Korea won                       17%
Philippine peso                     13%
Taiwan dollor                       13%
 
 三菱UFJ銀行公表の10月末の一年前の円の為替レートの下落率は、


 
対  ドル                             −29%
  ユーロ                           −11%
  英ポンド                           −9%
 
です。

 


11月の税務・総務予定

(税務)
所得税の予定納税額2期分の減額承認申請  15日(火)まで
所得税の予定納税額2期分の納付      30日(水)まで
個人事業税の納付(第2期分)          通常月末
*税を考える週間 11日(金)〜17日(木)

 

(総務他)
*年末調整関係資料の配付
*冬期賞与の算定
*労働保険料の納付(第2期)  10月31日(月)まで(口座振替日11月14日)


我が国Covid19月間感染者(死亡者)数
令和4年4月 131万人(1,472人)
令和4年5月 102万人(1,049人)
令和4年6月  50万人( 571人)
令和4年7月 360万人(1,304人)
令和4年8月 584万人(7,295人)
令和4年9月 242万人(4,917人)
令和4年10月 103万人(1,870人)

 

 
 欧米の税制の動向
 

 これからの我が国税制の方向を占う上で参考になるかなと思い取りあげました。紹介する内容は、令和4年9月7日政府税制調査会の海外調査報告(米国・欧州)を参考にしています。

 

 これを取りあげようと思ったときに、今年9月に当時の英国トラス(Trace)首相が打ち出した450億ポンド(8兆円)に及ぶ大型減税案は、欧州の今後の税制にも影響を及ぶすような内容でした。減税案の公表後、英国では国債借入コストの5%台への上昇、住宅ローン金利の上昇にIMFからの批判などで減税案は取り下げられ、スナク(Sunak)新首相にバトンタッチされました。結果としては大きな変更はなさそうです。

 

 米国の報告(中里実・佐藤主光) 昨年2021年1月に発足したバイデン政権の税制改正の動向が示されていました。なお、欧州の報告を含め為替レートは報告時と大きく相違していましたので、10月末のレートで記載しています。

 

* 2022 年インフレ抑制法(2022年8月16日成立)

 エネルギー安全保障や気候変動対策が盛り込まれていますが、インフレに対処するため、総額3,000億ドル(44兆円)規模の財政赤字の削減策が盛り込まれた。

   この財政削減策として、利益が10億ドル(1,450億円)超の大企業に対する15%の最低課税や、内国歳入庁の税務執行の強化等が盛り込まれています。

   この 15%の最低課税の提案は、ユニークで課税上の所得の少ない企業にも対処できるように会計上の利益で課税しようとするものです。

 

* 2023年の税制改正(2022.3.22公表)

○法人税率の引上げ(21%→28%)

(トランプ減税で35%を21%とされた税率を半分だけ戻す・・微妙)

○資産1億ドル(145 億円)超の富裕層の所得に対する 20%の最低課税等

○所得税の最高税率の引上げ(37%→39.6%)や、高所得者層に対するキャピタルゲイン課税の強化(20%→37%)等

   

欧州(英国・仏・独)の海外調査報告(吉村政穂・諸富徹)では次のような報告がされています。

* 英国

○2021年財政法(2021.6.10日成立)

 2023年4から、法人税の標準税率を 19%→25%に引上げ(収益 25 万ポンド(4,300万円)超の企業が対象)

○2020年7月に、外食、ホテル及び映画館等の一部の品目について、付加価値税率を、標準税率 20%から一時的に5%へと引き下げ、その後12.5%に戻し、2022年4月には標準税率 20%に戻した。

○2021年10月には予算責任憲章(Charter for Budget Responsibility)を更新し、債務残高を減少させ、予算において収入・支出の均衡に取り組む。

 

* フランス

○法人税も税率が EU 平均をかなり上回っていた時代もあったが2022 年に 25%と EU 平均に近づけた。

○増税は行わないとしているが、歳出増を歳入増よりも抑えることとし、2022年予算法において、一般会計のコロナによる財政赤字拡大分に相当する債務(24兆円)については、2042年までに償還することとしている。

 

* ドイツ

○2020年7月に付加価値税率を一時的に引き下げた(標準税率:19%→16%、軽減税率:7%→5%)が、2021年1月に外食等にかかるものを除いては元の税率に戻した。

○2023年からは、財政収支を均衡させる原則を再び遵守する予定。

○国防強化のために特別基金を設置

1,000億ユーロ(15兆円)を上限とする起債を可能にする。

 

 この他、働き方の変革(ギグワークなど)に対応した課税上の問題やデジタル化への対応が報告されています。

 この報告での主な点は次の通りです。

  *欧米では、財政収支の均衡が主要な 目標となっている

  *デジタル化の取り組みも顕著で、電子申告の義務化やインボイスも電子 化する方向(仏)

  *暗号資産等の所得の把握は今後必要暗号資産同士の交換は所得とされて いない(仏)・・日本では所得

 

 これから少し考えてみます。

  我が国の財政収支均衡の対応について

  *所得税・法人税はかなり高率になっていることから、部分的にしか対応できないのではないか(法人・個人とも高額所得者課税は考えられる)。

  *欧米でも取りあげられている金融資産、譲渡所得課税についても投資意慾とのバランスもあるが手をつけざるを得ないのではないか。

  *デジタル化への対応(強化とサーバーダウン問題)・・時代の流れでしょう・・

 

省略

 

 
 
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副業収入
 

 国税庁は令和4年10月7日、いわゆる副業収入の所得区分等に関する法令解釈通達(法律のような拘束力はありません)を公表しました。またパブコメ時の当初案とは、批判を受けたためか、かなり相違しています。

   副業収入といわれるものが事業所得になるか雑所得になるかは、その所得が赤字になった場合には、給与所得から通算できるかできないか大きな問題です。雑所得ならば通算できません。

   例えば、サラリーマンが空いている時間に学習塾などを開いているとか、宅配業をやりそれが赤字になっている場合に問題となります。

   まず、それらの所得が社会通念上事業と言えるかどうか(そう簡単ではありませんが)で、事業といえれば事業所得でそうでなければ雑所得になります。

   今回公表された改正通達では、“その所得に係る取引を記録した帳簿書類の保存”がある場合には、概ね「事業所得」に該当するとしています。

   しかし、それで済むわけはなく、帳簿書類の保存等がある場合でも、例年赤字など営利性が認められない場合には「雑所得」に該当することとされ、令和4年分以後の所得税に適用されます。

  例年赤字など」については、

  @ その所得の収入金額が僅少と認められる場合・・例えば、その所得の収入金額が、例年、300 万円以下で主たる収入に対する割合が 10%未満の場合です。そして「例年」とは、概ね3年程度の期間だとしています。

  Aその所得を得る活動に営利性が認められない場合・・その所得が例年赤字で、かつ、赤字を解消するための取組を実施していない場合だそうです。

   根底にある社会通念上事業と称するに至る程度か否かは、

   @営利性・有償性の有無、

   A継続性・反復性の有無、

   B自己の危険と計算における企画遂行性の有無、

   Cその取引に費した精神的あるいは肉体的労力の程度、

   D人的・物的設備の有無、

   Eその取引の目的、

   Fその者の職歴・社会的地位・生活状況

   などの諸点を総合勘案して判定するとしています。

   ちなみに当初案では、主たる所得が別にあって、その所得に係る収入金額が300万円以下の場合には原則として雑所得としていました。書き切れませんがこの雑所得も二つに分けています。

 

省略

 

 

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編集後記 ソウルの雑踏事故で、最初に思い出したのは20年程前の明石花火大会の歩道橋での圧死の事故のこと。その後すぐにインドの橋の崩落事故。何年も前から繰り返される事故がまたおきました。
    編集発行 株式会社プランニングファイブ