P5 NEWS     

SHONAN TAX OFFICE NO.340  
 




 

平成30年2月1日
 
医療費控除の整理
 

 今年は、年初から日本全国で記録的な大雪になり、湘南地方でも1月22日(月)に横殴りの大雪のため交通機関に大きな影響がでました。

 

 気象庁では11月中旬から全国的に気温の低い状態が続いていることから、1月末に北・東・西日本の長期間の低温に関する全般気象情報 第4号を発表しました。ここ1週間程度は、北・東・西日本では非常に強い寒気が流れ込むそうです。なお、1月24日から29日の平均気温は平年を3度前後も下回っているとのことです。

 

 2月になっても、まだまだ寒い日が続きそうです。

 

 近年、税務の世界では、社会状況の急激な変化に応じ頻繁に対応をとっています。

 

 例えば、「インターネットのオークションサイトやフリーマーケットアプリなどを利用した個人取引による所得」、「ビットコインをはじめとする仮想通貨の売却等による所得」は、一般的に、「雑所得」に該当するとされました。例えばビッドコイン(BC)で買い物をしても、BCの購入時と買い物時の時価差額で儲けがでますと雑所得として課税されます。

 

 そのほかに、インターネットのオークションサイトやフリーマーケットアプリなどを利用した個人取引による所得で次のような所得は、原則として、雑所得です。

 

 ・衣服・雑貨・家電などの資産の売却により所得(だたし古着や家財など生活の用に供している資産の売却による所得は非課税)

 

 ・自家用車などの資産の貸付けによる所得

 

 ・ベビーシッターや家庭教師などの人的役務の提供による所得

 

 最近では、個人が得た「民泊による所得」についても、一般的には、不動産所得ではなく、「雑所得」に該当することになりました。民泊は、通常、利用者の安全管理や衛生管理、また、一定程度の観光サービスの提供等を伴うものであるため、単なる不動産賃貸ではないと考えられています。

 

 

2月の税務・総務予定
 

(税務)
*固定資産税(都市計画税)の   4期分の納付  通常月末(2/28)
*税理士記念日      23日(金)
*贈与税の申告・納付      2月1日(木)〜3月15日(木)
*所得税の申告・納付      2月16日(金)〜3月15日(木)
*個人消費税の申告・納付           4月2日(月)まで


(総務他)
*平成30年度経営計画の策定
*4月新卒者入社前研修
*人事評価
 

 

 今月号は、個人の確定申告特集です。

 

 特に平成29年分の所得税の確定申告から、セルフメディケーション税制(SM) が導入されましたのでSMを中心に、国税庁から公表された「医療費控除に関する手続きについて(Q&A)」(平成30年1月)と「所得税・消費税誤りやすい事例集」(平成29年12月)を基にお知らせします。

 

 なお、SMとは、申告する方が健康の保持増進及び疾病の予防など一定の取組を行っている場合、その方やその方と生計を一にする配偶者その他の親族のために平成29年中に支払った特定一般用医薬品等購入費(薬局などで購入するOTC医薬品・買うときに明示されています。)がある場合は、一定の金額を医療費控除の特例として所得金額から差し引くことができる制度で、通常の医療費控除との選択制です。

 

 なお、SMの医薬品購入費であっても、それが治療や療養に必要な医薬品の購入の対価であれば、通常の医療費控除を受けることを選択した場合は、医療費控除の対象となります。念のため・・

 

 全てQ&Aにして概略をお知らせします。

 

Q 一定の取組みに必要なインフルエンザワクチンの予防接種費用をSMの中に含めて計算して良いですか。
 

 

A 予防注射など一定の取組み費用自体は、SMの対象となる支払いには、該当しません。SMの対象となる支払いは、特定一般用医薬品等の購入費用に限られます。

 

Q 生計を一にする親族も予防接種や定期健康診断などを行う一定の取組みを行うことが必要ですか。
 

 

A 一定の取組みは、SMの適用を受ける者がその適用を受ける年分に行っていることが要件とされているため、生計を一にする親族がその取組みを行っていなくても適用できます。

 

Q SMを選択して申告しましたが、後日、従来の医療費控除を選択すると還付金額が増えることから、申告を訂正する更正の請求を行うことができますか。
 

 

A SMは、医療費控除の特例であり、従来の医療費控除との選択適用になります。

 したがって、重複適用や、一度選択した控除を更正の請求や修正申告において変更することはできません。

 

Q 医療費控除が、所得税の申告の際に簡略化されたそうですが、どのように変わりましたか。
 

 

A 医療費控除の適用を受ける場合、これまでの所得税の確定申告においては医療費の領収書を確定申告書に添付(事務所では、添付しています。)又は確定申告書を提出する際に提示することとされていましたが、平成29年分以後の所得税の確定申告において医療費控除の適用を受ける場合は、医療費の領収書に基づいて必要事項を記載した「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付して提出することとされました(ただし平成31年分の確定申告までは従来の方法でも良いこととされています。)。

 

 この場合、医療費の領収書を確定申告期限等から5年間ご自宅等で保存する必要があります。

 

 また、医療保険者が発行するもので次@からEまにの項目の記載がある「医療費通知」を確定申告書に添付する場合は、「医療費控除の明細書」の記載を簡略化することができ、医療費の領収書の保存も不要です。

 

 @ 被保険者等の氏名

 

 A 療養を受けた年月

 

 B 療養を受けた者

 

 C 療養を受けた病院、薬局等の名称

 

 D 被保険者等が支払った医療費の額

 

 E 保険者等の名称

 

 なお、以上の記載のない「医療費通知書」は使用できません。

 

Q 「医療費控除の明細書」様式に「『医療を受けた方の氏名』、『病院・薬局などの支払先の名称』ごとにまめて記入するこができます。」とありますが、具体的に、どのように、まとめて記載すればよいのでしょうか 。

 

A 「 医療を受けた方の氏名 」や「病院・薬局など 病院・薬局など病院・薬局などの支払先名称 」ごとにまめて、次のように記載します。

 

−従来と殆ど変わりません。

 

  省略・・国税庁のHPでご覧ください。

 

Q 医療保険者から送付を受けた「医療費通知」のうち「被保険者等が支払った医療費の額」欄に記載された金額と病院の窓口で実際支払っ医療費の額(領収書記載された金額)が一致していません。
 医療費控除の額を計算する際にはどちらの金額に基づいたら良いでしょうか。

 

A 社会保険診療に係る医費ついて、「医療費通知」上の自己負担額(支払った医療費の額)は、診療報酬点数に単価(10 円)を乗じて算出される医療費の総額に被保険者の自己負担割合を乗じて算出されるため、10円未満の金額まで記載されます。

 通常 、医療機関等の窓口で支払う医療費の額は、10円未満の金額につき端数処理(四捨五入)が行われています。

 そのため 、「医療費通知」上の自己負担額と窓口で実際に支払った医療費の額が相違する場合がありますが、「医療費通知」に記載された「被保険者等が支払った医療費の額」に基づいて医療費控除の額を計算しても、医療機関等の窓口で実際に支払った金額により医療費控除の額を計算しても結構です。

 

−本当?金額が少ないとはいえ、実際に支払った金額のはずでしょう。

 

 省略

 

 

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(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告のお手伝いをしております。
 
民法(相続関係)改正要綱案
 

 法務大臣の諮問機関である法制審議会は1月16日、民法(相続関係)等の改正に関する要綱案をとりまとめました。以前出されたたたき台から内容を修正した項目がいくつかありました。

 

 要綱案の概要・・

 

配偶者の居住権を保護するもの 修正あり

 

〇配偶者の居住権を短期的・長期的に保護するための方策(配偶者居住権の創設)

 配偶者は、被相続人の財産に属した建物に相続開始時に居住していた場合において、配偶者居住権が遺贈の目的とされたときなどは、その居住していた建物の全部を無償で使用収益する権利(配偶者居住権)を取得する。

 

-問題となるのは、特殊な事例だと思われます。

 

遺産分割に関するもの 特段変更ナシ

 

〇配偶者保護のためとして、婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他の一方に対し、その居住の用に供する建物又は敷地を遺贈又は贈与したときは、民法第903条第3項の持戻し免除の意思表示があったものと推定する。

 

-黙示の意思表示も尊重されいることから、確認程度か。

 

〇家庭裁判所の判断を経ないで、預貯金の払戻しを認める。

 共同相続された預貯金債権の権利行使について、各共同相続人は、遺産に属する預貯金債権のうち、相続開始時の債権額の3分の1に共同相続人の法定相続分を乗じた額)については、単独でその権利を行使できる。その権利行使した預貯金債権は、共同相続人が遺産の一部分割により取得したものとみなす。

 

−実務で混乱しないだろうか。

 

遺留分制度に関するもの 特段変更ナシ

 

〇遺留分減殺請求権の効力及び法的性質について、遺留分権利者及びその承継人は、受遺者又は受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払を請求することができる。

 

 −実務では一般的かも。

 

〇遺留分の算定方法では、相続人に対する贈与は、相続開始前の10年間にされたものに限り、その価額を、遺留分を算定するための財産の価額に算入する。

 

 −1年とされていたが通常の生前贈与(特別受益)は、実務上は大部分、無制限とされていたが、それを限定するのか。

 

 省略

 

編集後記

 もう2月になり、事務所でも所得税の確定申告業務が始まっています。以前は、申告書の提出は何件かまとまってから税務署に持って行っていましたが、電子申告になり、最近ではできたものから申告しています。申告を依頼される方は、早めに資料を提示して頂きますようお願い申し上げます。

インフルエンザに注意を。


           編集発行 株式会社プランニングファイブ