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SHONAN TAX OFFICE NO.320  
 




 

 
平成28年6月1日
 
相続税申告の要否
 

 例年では関東地方でも今月、梅雨に入ります。昨年は、6月3日ごろで、平年では6月8日ごろとなっていますので、この通信がお手元に届く頃は、梅雨に入っているかも知れません。

 平成 28 年分の路線価図等は、昨年と同様に、7月1日(金)10 時に公開することになっています。

 平成27年から相続税の基礎控除が大幅に引き下げられ、相続税の申告を要する人が増加しています。

 そこで、国税庁は、相続税の申告をしなければならないかを、できるだけ簡単に調べてもらえるように相続税の申告要否の判定コーナーを先月新設しました。

 法定相続人の数は、「子供がいますか」などを入力すると簡単に分かるようになっています。

 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 相続財産は、少し難しいところもあるかも知れませんが、おおよその目安になるはずです。

 昨年亡くなられた方の相続税の申告件数の公表は、まだ大部先になると思いますが、ここ数年の我が国の出生・死亡者数の推移を、総務省統計局で公表している日本の統計から次に載せておきます。

 

             (単位万人)

平成 出生者数 死亡者数 相続申告件数
26年  100   127    5.6万件
25  103   127    5.4  
24  104   126    5.3  
23  105   125    5.2  
22  107   120    5.0  
21  107   114    4.6  
20  109   114    4.8  
 

 相続件数は、その年に亡くなられた方のうちの相続申告件数です。平成26年でみますと亡くなられた方のうち4.4%が相続税の申告をされていることになります。新しい統計が出たらまたお知らせします。出生者数は減少傾向で、死亡者数は増加傾向です。相続税の申告件数は、確実に増加しています。

 

 

6月の税務・総務予定


(税務)
*所得税等の予定納税の納税通知      15日(水)まで
(減額申請は、7月15日まで)
*個人住民税(普通徴収)の納付(第1期分)     条例で定める日


(総務他)
*給与計算 住民税額の変更
*労働保険の更新手続きは、  6月1日(水)から7月11日(月)まで

 

 

 先月(5月)に行われたG7伊勢志摩サミットで、安倍首相は「リーマン級のリスク」を強調し、消費税増税の再延期がほぼきまりました。来年(平成29年)4月に予定されている消費税率10%への引き上げは、平成31年10月まで2年半先送りするとのことです(最終的には法律改正が必要です。)。そうなりますと首相任期の平成30年9月を超えることになり、首相には丁度良いのかもしれません。

 

 平成28年度の税制改正では、来年4月の消費税率アップを見据え、食料品等を対象とした軽減税率が規定されていました。これがどうなるのかは不明ですが、仕切り直しした方がいいのですが。しかし、もう一つ大きな改正が規定されています。これは、消費税導入時からの財務省の悲願の現れかも知れませんが、EU方式であるインボイス方式に関連したものの導入です。こちらは、マスコミ報道でもあまり注目を集めていませんでしたが、非常に重要な内容が含まれています。帳簿の記載には手を付けず、こちらだけ増やした格好です。

 このインボイス方式(正しくは、「適格請求書等保存方式」。ご大層な名前を付けました。)。

 

 このインボイス方式は、平成33年4月1日からとなっていますので、よっぽどのことがない限り導入されるはずです。

 この特徴は、適格請求書等の発行・保存を義務づけ、かつ適格請求書を発行できる「適格請求書発行事業者」の登録をしなければ、適格請求書を発行できないというものです。

 そして欧州のVATと同様なインボイス番号が付与されます。課税事業者登録をして番号を手に入れるというもので、この番号のない事業者との取引は、仕入に係る消費税を引くことができませんので、納税義務免除者(免税事業者)である支払者は不利になります。この番号は一種の納税者番号で、マイナンバー制度や国税庁の法人番号を組み合わせることによって税務情報の把握が一層容易になります。

 

 適格請求書には、

  ・発行者の氏名

  ・取引年月日

  ・取引の内容

  ・税率毎に合計した対価の額及び

             適用税率

  ・消費税額等

  ・受領者の氏名

 ともちろん「登録番号」の記載が必要です。

 なお、軽減税率の対象品目がある場合には「※」印等をつけることになっています(次頁図参照)。

 なお不特定多数の者に対して販売を行う小売業、飲食業、タクシー業等については、取引の相手方の氏名等を省略した「適格簡易請求書」を交付することができます。

 

 適格請求書発行事業者の登録については、平成31年4月1日からその申請を受け付けることになっています。

 

 先程申し上げたように免税事業者は適格請求書等を交付できないため、免税事業者からの仕入れについては、仕入税額控除することはできませんが、次の期間については、免税事業者からの仕入れについても、仕入税額相当額の一定割合を控除することができる経過措置が設けられています。

 この区分は、また大変です。

 平成33年4月1日から平成36年3月31日まで・・・仕入税額相当額の80%

 平成36年4月1日から平成39年3月31日まで・・・仕入税額相当額の50%

 その他、自動販売機から購入する場合など適格請求書等の交付を受けることが困難な場合は、帳簿の保存により仕入税額控除をすることができます。

 しかし現行の支払対価の額が3万円未満の課税仕入れについて請求書等の保存を不要とする規定等は廃止され、3万円未満であっても、原則、適格請求書等の保存が必要になります。

 

売上税額の計算方法

 以下のいずれかの方法によります。

A  交付した適格請求書に記載した税額を、すべて集計する方法

  ⇒ 売上税額:1,000円+800円=1,800円

B  適用税率ごとの課税売上高の合計額にそれぞれ税率を乗じて計算する方法

 (10%対象)11,000円×10/110=1,000円

 (8%対象)10,800円× 8/108= 800円

 ⇒ 売上税額:1,000円+800円=1,800円

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

     政府広報オンラインから

 

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P5コーナー


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相続関係の改正試案
 

 法制審議会民法(相続関係)部会が検討を重ねてきた民法(相続関係)の改正に関する中間試案のたたき台を公表されました。 嫡出でない子の相続分の改正が、最高裁の判決を経て行われましたが、本来は配偶者に対する対応も同時にやるべきで、やっと中間試案にこぎつけました。

 たたき台は、@配偶者の居住権を保護するための方策、A遺産分割に関する見直し、B遺言制度に関する見直し、C遺留分制度に関する見直し、D相続人以外の者の貢献を考慮するための方策からなっています。

  “A遺産分割に関する見直し案”では、被相続人の財産が婚姻後に一定の割合以上増加した場合に、その割合に応じて配偶者の具体的相続分を増やす「甲案」と、婚姻成立後一定期間(例えば20年)が経過した場合に、選択又は自動的に法定相続分を配偶者に厚くする「乙案」が示されています。

 「甲案」は、かなり複雑で、一定の計算式により算出された額が、現行の配偶者の具体的相続分額を超える場合には、配偶者の申立てにより、配偶者の具体的相続分を算定する際にその超過額を加算することができるもので、理論的かも知れませんが実際の計算では、混乱しそうです。

 「乙案」は二案あり、一つは、婚姻成立の日から20年(30年)が経過した後に、一方の配偶者が他方の配偶者の法定相続分を引き上げる旨を届け出た場合には、相続人の法定相続分は、例えば、子及び配偶者が相続人であるときは、配偶者の相続分は3分の2、子の相続分は3分の1というように変更されるというものです。

 もう一つの案は、婚姻成立後一定期間の経過により当然に法定相続分が変更されるとするもので、相続人の法定相続分を定めた民法の規定にかかわらず、配偶者が相続人となる場合において、相続開始の時点で、その婚姻成立の日から20年(30年)が経過しているときは、相続人の法定相続分は、例えば、子及び配偶者が相続人であるときは、配偶者の相続分は3分の2、子の相続分は3分の1とするとされ、自動的に変更されます。最初の案ででは、相続税の総額の計算に、より大きな影響が考えられます。

 摩訶不思議・軽減税率はお休みさせて戴きます。

 

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編集後記 これから、全国的に梅雨空が多くなってくると思います。雨対策に防水用の革靴を購入しましたが、大雨ならば無理でしょうが。早いもので、今年も今月で半分が経過します。あらゆるものが梅雨前線のように停滞してチットモ進んでいる気がしません。
              編集発行 株式会社プランニングファイブ