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OFFICE NO.301
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平成26年11月1日
遡及マイカー通勤手当
あの暑かった夏が嘘のように、秋が深まってきました。
また有り難くないですが、台風20号が、この通信が皆様のお手元に届く頃には関東地方に接近している頃でしょうか。
通常、台風の発生は、ここ10年間で年間23個程度発生しますので、今年は少ない方かも知れません。特に今年の8月の発生は1個で、例年に比べて極端に少なくなっています。11月、12月にも例年2、3個は発生しますので、上陸の可能性はともかく、まだこれからも発生しそうです。
過去の台風の発生個数
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10月まで |
11,12月 |
年計 |
2013年 |
29 |
2 |
31 |
2012年 |
23 |
2 |
25 |
2011年 |
20 |
1 |
21 |
2010年 |
14 |
0 |
14 |
2009年 |
21 |
1 |
22 |
2008年 |
18 |
4 |
22 |
2007年 |
20 |
4 |
24 |
2006年 |
19 |
4 |
23 |
2005年 |
21 |
2 |
23 |
2004年 |
24 |
5 |
29 |
先日、新聞に「相続争い、一般家庭で急増」という記事が・・
「5千万円以下の遺産をめぐる相続争いが増加している。今年の1〜9月に解決した相続争いのうち遺産5千万円以下のケースは全体の約8割を占め、比率は過去10年で5ポイント高まった。年間の件数も10年間で5割増え、件数がほぼ横ばいの遺産5千万円超とは対照的だ。財産が少ない人ほど遺言や生前贈与といった相続対策をしていないことが背景にある。」と
(2014/10/28
日本経済新聞電子版)。
最近の風潮は、来年からの相続税の基礎控除の引き下げや過度の“相続”争いである“争族”を強調して「相続相談」や「相続対策」などと不安を煽ろうとする業者や金融機関などが見受けられますが、実情を知れば、それ程大騒ぎする必要はありません。
11月の税務・総務予定
(税務)
*所得税の予定納税額の減額申請
17日(月)まで
*所得税の予定納税額の納付 (第2期分) 12月1日(月)まで
*個人事業税の納付(第2期分)
通常月末
*税を考える週間 11日(火)〜17日(月)
(総務他)
*年末調整関係資料の配付
*冬期賞与の算定
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もちろん、実情を知っておくことも必要でしょうから、相続で裁判所に持ち込まれた統計をご紹介しておくことにします。
平成25年度として公表されている家庭裁判所の司法統計を見ますと、遺産分割に関する家事調停事件(家事事件手続法別表二12関係)は毎年1万2千件前後あります。これは年間死亡者の1%が相続争いで家庭裁判所に駆け込んでいることになりま
す。
受理年 |
受理件数 |
昭和24年 |
853件 |
昭和40年 |
3,439 |
昭和60年 |
5,141 |
平成16年 |
10,083 |
平成20年 |
10,860 |
平成25年 |
12,878 |
|
この中で、事件が認容や調停が成立して解決した事件数は9千件程度で、そのうち、遺産5千万円以下のケースが約6,700件ですので、5千万円以下の遺産額(殆ど相続税の申告は不要の事例です。)で、全体の75%を占めています。
遺産の価額 |
件数(弁護士関与有) |
1,000万円以下 |
2,912(1,738)件
|
5,000万円以下 |
3,841(2,725)
|
1億円以下 |
1,079(837) |
5億円以下 |
557(484) |
5億円超 |
51(50) |
算定不能等 |
554(432) |
合 計 |
8,994(6,266・7割) |
審理期間
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件数
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割合
|
3ヶ月以内 |
843件 |
9% |
6ヶ月以内 |
1,921 |
21 |
1年以内 |
2,942 |
33 |
2年以内 |
2,333 |
26 |
3年以内 |
591 |
7 |
3年超 |
364 |
4 |
合計 |
8,994 |
100% |
このように1年以内に解決するのは6割強で、残りは長期間を要しています。
なお、年間遺産分割事件1万2千件の内、上記の認容・調停成立以外では、取り下げが3千件程度あります。
このように、相続人間で遺産分割協議が纏まらずに家庭裁判所に申し立てる者のうち遺産が5千万円未満が4分3を占め、かつ弁護士関与数は、その内の7割弱に及んでいます。何が言いたいかは言わないでもお判り頂けると思います。
遺産額が少なくても、あまり安心できません。遺言が一番でしょうが、専門家に頼むのも面倒だと思われている方は、自筆遺言でも構いませんので、作っておかれたらどうでしょうか。法的な問題が無いように作成する方がもちろん良いのですが、親の気持ちなどを書き残すだけでも違います。その後、相続人が法的に問題があるといって争うことになったとしたら、育て方が間違えたと思ってあきらめて下さい。
消費税率のアップに合わせて、4月から定期代などの通勤費は、既に増額交付されていると思いますが、平成26年10月に法改正が行われ、自動車などでマイカー通勤している給与所得者に支給する通勤手当の非課税限度額が引き上げられました。
これは、今年8月の人事院勧告を踏まえ,国家公務員の通勤手当が引き上げられる方向となったことから行われたもので、ついでか、と思わないではありませんが・・
改正は、次のようになり、4月分以後に受けるべきマイカー通勤手当に遡及することになりました。
改正後(26年4月1日以後適用)の1ヶ月当たり非課税限度額
区 分
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非課税金額 右欄改正前 |
交通機関利用
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合理的な運賃等 限度10万円 |
通勤距離が片道55q以上
|
31,600円
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24,500円
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片道45q以上55km未満
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28,000円
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片道35q以上45km未満
|
24,400円
|
20,900円
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片道25q以上35km未満
|
18,700円
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16,100円
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片道15q以上25km未満
|
12,900円
|
11,300円
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片道10q以上15km未満
|
7,100円
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6,500円
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片道2q以上10km未満
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4,200円
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4,100円
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片道25q未満45km未満
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全額課税
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ここでで問題となるのが、この法律に経過措置があり、平成26年4月1日以後に受けるべき通勤手当に適用されるとされたため、この非課税限度額に合わせている会社では,今回の引上げを踏まえて支給規程を改訂し,通勤手当を引き上げるケースもあると思われます。
すなわち10月分までの給料の支払時に通勤手当として16,100円支払っていた会社が11月に4月からの手当を遡って追加分として(18,700円−16,100円)×7ヶ月分=
18,200円を支給した場合には、追加支給分についても改正後の非課税限度額が適用されます。
もちろん会社の規定によって異なりますので、どの様に処理するかは、今のところ不明ですが、変更があればお知らせ下さい。
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通勤手当Q&A
この通勤手当につきましては、平成20年5月号(No.224)他でも書きましたので、同じような内容になるかも知れませんが、よろしければお読み下さい。出典は、主に国税庁のホームページの質疑応答事例を参考にしております。
Q. 引っ越しなどで月の中途で通勤距離が変更となったマイカー通勤の従業員に対して、その変更月の通勤手当の非課税限度額の取扱いはどのようになりますか。 |
A.変更月の非課税限度額は、変更前と変更後の通勤距離のうちいずれか長い方の通勤距離に応じた金額で処理して下さい。
所得税法上、給与所得者が通勤に必要な交通用具の使用のために支出する費用に充てるものとして通常の給与に加算して受ける通勤手当については、1か月当たり一定金額までは非課税とされていますが、月の中途で通勤距離が変更した場合の「1か月当たりの非課税限度額」の算定方法については、規定はありません。
そのため、月の中途で通勤方法・距離を変更した場合でもその月の1日現在の通勤方法に基づいて通勤手当を支給しているときは、その月の1日現在の通勤距離等に基づいた非課税限度額で差し支えないこととしており、本件についても変更前と変更後のいずれか長い方の通勤距離に応じた金額(月額)によることとしても差し支えないと考えられます。
Q.アルバイトに支給する通勤手当のうち非課税とされる部分の金額は、所得税法上非課税限度額として規定されている一定の金額(月額)によりますか、それとも、勤務日数に応じた日割額によりますか。 |
A.通勤手当の非課税限度額については、日割額ではなく月額で判定します。
いわゆるアルバイトやパートタイマーのように、断続的に勤務する者に支給する通勤手当であっても、日割額によるべき旨の規定はなく、通勤手当のうち非課税とされる金額は、その勤務する者にその月中に支給する通勤手当の合計額のうち、非課税限度額として規定されている額に達するまでの金額となります。
編集後記
前回の300号の発行後に、多くの皆様からお祝いの言葉を頂戴いたしました。続けてきて良かったなと思っております。本当に有り難うございました。今年もあと2ヶ月になり、早いものでもう年末調整の資料配付の時期です。また、最近風邪の方を良く見受けます。皆様もどうぞ風邪に気をつけて下さい。ここに掲載した数字等の元になる資料は、ホームページにリンクしております。必要な方は、そちらもご覧下さい。
編集発行
株式会社プランニングファイブ
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