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平成25年5月1日
 
富士山
 

 気が付いたら冬から春に。でもまだ寒い日が時折訪れ冬服もなかなか整理できません。桜前線も北東北から津軽海峡を渡って北海道へと北上しています。でも短い春からあの暑い夏に。その前に梅雨が待っています。沖縄では5月10日頃が通常の梅雨入りです。関東ではそれから1ヶ月後に梅雨が始まります。

 5月になって,富士山が世界文化遺産に登録される見通しになったと報道されました。ユネスコが登録する「世界遺産」には,その特質に応じて「文化遺産」,「自然遺産」と「複合遺産」の3種類に大別されています。

 富士山が登録される文化遺産は,顕著な普遍的価値をもつ建築物や遺跡などで,昨年登録された平泉や古都京都などです。

 自然遺産は,顕著な普遍的価値をもつ地形や生物、景観などをもつ地域として登録される物で,知床や白神山地などが有ります。

 複合遺産は,文化と自然の両方について、顕著な普遍的価値を兼ね備えるもので,中国の泰山やインカの都市で有名なペルーのマチュ・ピチュがありますが,日本にはありません。

  富士山は日本最高峰として信仰され、浮世絵など芸術の題材にもなり,約7万ヘクタールが世界文化遺産の推薦対象とされ、富士五湖や白糸ノ滝、浅間神社な ど25の資産で構成されています。

 

  世界遺産の数
 国 文化 自然 複合 合計
イタリア 45  3  0   47
スペイン 39  3  2   44
フランス 34   3  1   38 
ドイツ  34   3  0   37 
 中国  30   9  4   43 
 韓国   9   1  0   10 
 日本  12   4  0   16 
 

他国にまたがっているものも1件と数えています。ユネスコ世界遺産リストから集計しました。

 2012年現在の世界遺産は962件で,次のようにその4割は欧州が占めています。

 
  地域別世界遺産件数
  地域 件数(件) 割合(%)
 アジア   156   16
 中東   68    7
 欧州   422   44
 アフリカ  126   13
 北米   35    4
 中米   62   6
 南米   66   7
オセアニア   28    3
 

 この中で危機に晒されている世界遺産は,アフリカを中心に38件あり,アメリカ,イギリスでも1件ずつあります。

 


5月の税務・総務予定


(税務)
*特別農業所得者の承認申請期限               15日
*24年分所得税延納分の納付期限              31日
*自動車税の納付    通常月末
*個人住民税特別徴収税額通知             まもなく


(総務他)
*クールビズ等節電対応
 

 

前号でお知らせした「所得税法等の一部を改正する法律 (法律5号)」(「25年改正法」ということにします。)は,衆議院の財務金融委員会で3回,参議院の財政金融委員会で2回の審議を経て,3月30日に公布されました。

 この法律の中に,オマケというか法令に付随的な事項を定めた「附則」というものがあります。

 25年改正法の附則108条において,寄附金税制、特定支出控除、及び贈与税に関しては25年度中に,交際費課税については26年度中に検討することになっています。

 交際費については,今まで大法人は,全額損金不算入(全額課税),中小法人は,600万円に達するまでの金額の90%損金算入ができるという規定が平成25年4月1日から26年3月31日までの開始事業年度の1年間(1事業年度)に限って,中小法人が支出する交際費のうち800万円以下の金額の全額の損金算入が可能となりました。

 この法(措置法61の4)は,来年26年3月31日で適用期限がきますので,多分このまま延長されると思いますが,今年ではなく26年度までに財源を含めた次のような検討をしようとしています。

 附則108条三号に「交際費等の課税の特例の在り方について、当該特例が租税特別措置法で定められていることも踏まえ、消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点から、その適用範囲を含め、検討すること。」としていますので,その場しのぎの感は拭えませんが,経済の活性化に主眼がおかれています。

 

○麻生国務大臣 ・・、この交際費課税につきましては、これは中小企業につきましての経緯等々は申し上げましたけれども、今、景気を刺激するという点に関しては、企業が内部留保で二百何十兆じっと持っているという状況の中において、大企業等における交際費課税というものが認められるのであれば、それはそれなりに消費が出ます。・・金は天下の回りものなのであって、・・あれは使うものなので・・、基本的に回っていくというのが一番大事だと思っておりますので、その意味では、大企業の交際費課税というものは検討されてしかるべきものだ、私どもはそう思っております。
          平成25年3月19日衆議院財務金融委員会3号議事録
 

 寄附金税制については,同一号において,「大学に対する寄附金その他の寄附金に係る税制上の措置の在り方について、これまで講じられた措置の効果等を踏まえつつ、対象範囲を含め、検討すること。」とされています。この大学に対する寄附金の検討の意味合いはよく分かりませんが,教育資金の贈与など、人材育成,教育や研究へのバックアップなのかも知れません。しかし,大学は補助金の不正使用などが報道されているこの時期に手を付けるとは?

 同二号は,「給与所得者の特定支出の控除の特例の在り方について、給与所得者の負担軽減及び実額控除の機会拡大の観点から、これまで講じられた措置の効果等を踏まえつつ、適用判定の基準(・・)及び控除対象の範囲を含め、検討すること。」とされています。これについては,平成24年の改正直後でもあり考え難いのですが。

 最後に四号では,「贈与税について、高齢者が保有する資産の若年世代への早期移転を促し、消費の拡大を通じた経済の活性化を図る観点、格差の固定化の防止等の観点から、結婚、出産又は教育に要する費用等の非課税財産の範囲の明確化も含め、検討すること。」としています。

 この他25年改正で成立し,前号でお話した教育資金の一括贈与の国会の審議を見ておくことにします。

 

○西野委員 ・・では、その教育目的という範囲は、これからいろいろと議論をされるということでよろしいんですか。
 

○田中政府参考人 これはかなり技術的な話がたくさんございまして、学習塾をどうするですとか、あるいは、それこそピアノの稽古をどうするですとかいう議論がございまして、文科省あるいは関係省庁と今内容の仕切りを行っている最中でございますけれども、なるべく広く認めるつもりではございますけれども、とても子供の教育にそぐわないような、例えばかけごととか、そういう教室があったからといって、そこに出す費用までというわけにはいきませんので、常識の範囲内で各省と今議論をしている最中でございます。---------
 

○西野委員 ・・これは、僕の読み方が間違っているのかもわからないんですが、例えば、この制度を活用して1,500万積み立てました、孫が30歳までに500万円しか使えなかった、そうすると、1千万円残ってきます。これは、1千万に対して、今度、その時点で贈与税がかかるという理解でいいのかなと思っているんですが、そうすると、1千万には30%の贈与税がかかって、3百万円の課税(筆者注:25年改正法では180万円程度になります。)がその時点でされます。それこそ頭のいい方だったら、では、今、3千万までであればかからぬということであれば、その資産状況によっては、ほかに持っているお金がなければ、もう別に相続税も払わぬでええやないかということになれば、この制度を活用する人が実際出てくるのかなと心配しているんですけれども、いかがですか。
 

○田中政府参考人 ・・したがって、理論的には、おっしゃるように、最後にお金が残る可能性があって、贈与税の場合、基礎控除がございますけれども、それをオーバーすると贈与税がかかる、最後の残った時点で贈与が行われたというふうに考えるようになるわけですけれども現実には、最初にそういう商品を組むときに、大体これぐらいのお金はほっといてもかかるという前提で商品が組まれるということになるでしょうし、申し込まれる親御さんの方々と相談をして、要は、最後に余り余らないようにするというような対応をなされるのではないかと思います(筆者:そんなわけない・・)。
 ただ、理論的には先生のおっしゃるとおりなので、その時点で、もし余れば贈与税がかかるということでございますが、そのときの贈与税の計算は、先ほど言いましたように、基礎控除を引いた後の計算になりますので、先ほどの数字がちょっと正しいかどうか今計算させていますので、もしお時間があればお答えさせていただきます。

                            平成25年3月19日同議事録

 
  省略
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印紙税の見直し
 

 領収書などに収入印紙を貼ることがあります。これは印紙税が課税されるためで,領収書の法的効果には影響はありませんが,印紙税という租税の課税対象とされ,契約書作成時などに収入印紙を貼り付け,これに消印をする方法で納税します。

 印紙税の歴史は,地租改正と同年の明治6年(1873年)に導入され,現行の印紙税としては昭和42年に印紙税法として広範囲な文書の作成に課税しています。印紙を貼る必要がないものとしては,

 @ 3万円未満の金銭の受取書等

 A 1万円未満の不動産の譲渡や請負契約書

 B 建物の賃貸借契約書

 C 委任状など

 D 営業に関しない金銭の受取書(個人が生活の用に供している土地建物を譲渡する場合等の領収書など)

 などがあります。

 このうち,前記@の金銭又は有価証券の受取書のうち記載された受取金額が5万円未満に改正され,平成26年4月1日以後から適用されます(附則第16条)。

 印紙の消印の方法は,消印する人は文書の作成者に限られておらず、また、消印は印鑑でなくても署名でもよいとされているいます。消印は印紙の再使用を防止するためのものですから、それに使用する印鑑は100円ショップの認め印でも構いません。印鑑のほか、氏名、名称などを表示した日付印、役職名、名称などを表示したゴム印のようなものでも差し支えありませんが,その表示は氏名を表すものでも通称、商号のようなものでも構いませんが,単に「印」と表示したり斜線を引いただけでは消印したことにはなりません。もちろん鉛筆で署名したもののように簡単に消し去ることができるものもダメです。

 印紙の税収は、年間1兆円程度で,相続税の1.5兆円と同程度となっています。意外と大きな税収の一つです。  

  24年度予算(財務省税制について考えよう

 

省略

 


編集後記

 この通信が皆様のお手元に届く頃は,ゴールデンウイーク(GW)の連休明けだろうと思います。最近では自宅で過ごす「イエ充」が、若い世代をを中心に増えているようですが,今年は天気に恵まれて,お出かけの方も多く,連休明けは疲れ切った人が増えているかも知れません。今月号も,お読み頂き,有り難うございました。

    編集発行 株式会社プランニングファイブ