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     税理士中江博行事務所  NO.116

 




 

 
平成11年5月1日
憲法改正
 
 4月の29日からスタートした今年のゴールデンウイークでは、7日間の連休となったところもあるようです。
 しかし、どういう休日かを判らないまま、高速道路の渋滞に巻き込まれる人も少なくないのではないでしょうか。とにかく休みなのは変わりはないのですが、今年の連休は、4月29日(木)の“みどりの日”、5月1日、2日は土曜日、日曜日でお休み。3日は“憲法記念日”、4日は“国民の休日(振替休日)”そして5日は、“こどもの日”となっています。
 GWの期間に“憲法記念日”があるせいか、この時期になると良く憲法改正についての議論が出てきます。
 日本の憲法は、明治維新になって、建国以来2千年、成典憲法を持たなかった我が国でも、渡欧した伊藤博文らによってヨーロッパから輸入?されて明治憲法が制定されました。その後、ご存じのようにポツダム宣言の受諾を経て、今日の日本国憲法ができました。 今日の日本国憲法は、いくつかの特徴を持っていますが、その一つに、改正が容易に出来ないような慎重な手続きを定めていることです(これを硬性憲法と言います。もちろん憲法は通常こちらが多いのですが・・)。我が国では、憲法を改正するためには、国民が直接YES,NOを決めることになっています。手続き的には、国会が発議して、国民投票により国民がこれを承諾して初めて改正されます。国会の発議も総議員の3分の2以上必要ですし、我が国憲法はそう簡単には改正できません(憲法96条)。ヨーロッパでも改正に国民投票を求めるところが多いのですが、議会での賛成が多数の場合には、国民投票を必要としないところもあります(イタリア共和国憲法138条、フランス共和国憲法89条)。米国では、州議会の承認によって改正されます(合衆国憲法96条)。


5月の税務・総務予定
(税務)
*土地保有に係る特別土地保有税の申告及び納付31日
*自動車税の納付
*個人住民税の特別徴収税額の通知  
      
(総務)
*労働保険概算・確定保険料の申告及び納付    20日
*労災の年金受給者の定期報告(1月〜6月生まれ)
 

 また、我が国憲法の特徴として、刑事訴訟的な定めをこと細かく憲法上に定めていることです。例えば、自白だけでは有罪とされないとか自分に不利益となる供述はしなくて良いとか言うことが憲法で規定されています(憲法38条)。
 米国では、「また何人も刑事事件において、自己に不利な証人になることを強要されない(合衆国憲法修正5条1791年、もちろん英語ですが)。旧ソビエトではもっとシンプルで、裁判を受ける権利(ソビエト社会主義共和国連邦憲法57条)と「被告人には、弁護の権利が保障される(同158条)」、フランス共和国憲法(1958年)でも、やはり同様で恣意的拘束の禁止(66条)ぐらいしか憲法に定めていないようで、日本のように、法定手続きの保障(憲法31条)、裁判を受ける権利(同32条)、逮捕の要件(同33条)、拘留・拘禁の要件(同34条)、住居の不可侵(同35条)、拷問及び残虐刑の禁止(同36条)、刑事被告人の権利(同37条)、自己に不利益な供述、自白の証拠能力(同38条)や遡及処罰の禁止(同39条)など細部にわたって規定されている憲法も余り類を見ません。戦前の「おいこら警察」などの横暴が改正が容易でない憲法に定めることの必要性が痛感されたのかも知れません。
 税金のお話
*3月決算法人の会社は、通常今月5月が、申告・納付となります。法人の場合には、この3月決算法人以後多くの税制上の改正が行われておりますので、くれぐれもご注意ください。
 昨年からこの紙面上でも、個々にでも再三お話をさせていただいておりますが、“消耗品費”のなかに10万円以上20万円未満のものは入っていないでしょうか。今までは、20万円以上のものは、資産計上とされていましたが、今期より10万円以上のものは、一括で損金(費用)とすることはできなくなっております。税率や交際費の限度額の計算は決算段階でも充分確認できますが、会社計上の消耗品費の中身については、税理士事務所で個々に把握することは出来ません。もう一度、見直してみてください。
*給与を支払う場合には、支払う給与から源泉徴収税額、社会保険・雇用保険料などを控除して支給しますが(控除して預かったこれら税額・保険は会社が別に支払います)、差し引く源泉徴収税額は今年の4月以降、改訂されていますので、新しい税額表をお使いになっているかもう一度確認してみてください。またコンピューターで源泉徴収事務を行っている会社は、新バージョンになっているかどうかを、乙欄該当者(別の会社から給与を貰っている人であなたの会社が従たる給与の支払者である場合などです)の場合には、税額表と合っているかを調べておいてください。乙欄税額はコンピューター用の簡便計算が用意されておりません。*今年の4月1日から1年間適用される100万円未満のパソコンなどの資産を取得して事業に使った場合には、全額損金算入(費用)する事ができるという制度が動き出しました。
 なぜパソコンのようなものだけが認められるのか納得できない方も多いと思いますが、できてしまった以上活用しましょう。
 また、これは、本体のみではなく付属品と一括して100万円未満なら良いので、付属品の範囲が気になるところです。
 パソコンの場合の付属品とは、キーボード,OCR装置、音声入力装置、ディスプレー、通信装置などがこれに該当します。
 コピー機(専用のコンピューターによって制御されるものに限るそうですが、提供の有無についてはメーカー・販売代理店に聞いてください)の場合の付属品とは、専用の自動原稿送り装置、排紙分類装置などです。
 FAX機(これも具体的にはどの機種かは判りませんが、「送受信データを蓄積する機構及び普通紙に受信データを印刷する機構を有するもの」とされています)の付属品とは、専用の変復調装置、回線制御装置などとなっていますが、早い話なんだか良く判りませんが、そんなものもOKだと言うことで判ったつもりになってください。



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 労働保険料の申告
 
(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用業務を行っております。
 
 労働者災害補償保険法(一般に「労災保険」といいます。)と雇用保険とを総称したものを労働保険と言っています。
 今月は、労働保険の年度更新があります。労働保険料は、毎年4月1日から5月20日までの間に、既に納付した前年度の概算保険料を確定して精算すると共に次(今)年度の概算保険料の申告・納付を行うことになっています。これを「年度更新」といっています。
 前年度の概算保険料は、賃金総額の見込み額に基づいて算定されていますので、昨年の4月から今年の3月までの確定した賃金総額に基づいて算定される保険料額との精算を行い、今年度の賃金総額の見込み額(通常前年の賃金総額)に基づいて今年度分の概算保険料の申告・納付を行います。
 また、概算保険料額が40万円(労災保険か雇用保険のどちらか一方の保険関係のみ成立している場合は20万円)以上の場合には、3回に延納することができます。念のため・・・・。
 労働保険申告書が出来上がったら、申告書の下部に用意されている納付書を切り離さずにそのまま金融機関に持っていって支払えば、それで終わりです。


 編集後記
 ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。今年は暦通りでもまとまった連休でしたので、不況などどこ吹く風で海外旅行も盛況だとか。家で
のんびり派も、お出かけ派も早く連休ボケから立ち直らなければいけませんね。労働保険の申告もお忘れなく。
 編集発行 株式会社プランニングファイブ
 

    

Last Updated:4/MAY/1999