平成18年12月1日
税制調査会
今年もあと僅かで終わろうとしています。色々な事件や話題がありました。
1月には、ライブドア堀江社長の逮捕から、IT関連株の信頼性の下落。
2月は、最後の最後に決まったトリノ五輪フィギュアスケートの荒川静香選手の金メダルの
獲得。その後現役引退。
3月は、「ワールド・ベースボール・クラシック」で、王ジャパンが世界一に。
4月は、耐震強度偽装事件で姉歯元建築士、木村建設社長らの逮捕。
6月には、シンドラー社製のエレベータによる死亡事故。
7月は、パロマガス湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故。
10月は、全国各地での高校の必修履修漏れが明らかに。
11月には、教育基本法の改正・・そして自民党の除名議員の復党問題へと続きました。
まだひと月残っていますが、色々事のあった一年でした。ただ、思うとあれだけ大きな話題が、遠い過去のことのような気がします。なんと、時の流れは早いのでしょうか。
阿部首相は、新しい政府税調をスタートさせました。当初、石会長の続投と考えられていましたが、新会長・本間正明阪大教授にバトンタッチされ、増税から経済成長による財政再生路線に舵が切られました。これに伴ったのかどうか判りませんが、自民党税制調査会会長だった与謝野氏が体調不良を理由に辞任し、新たに津島雄二元厚相が会長に就任しました。これから、来年度の税制改正の方向が随時出てきますので、注意しておかなければなりません。
12月1日、本間税調は、19年度の税制改正の答申を出しました。あまり大きな改正は、無い模様ですが、主なところをあげておきます。
@ 減価償却制度の改正
かなりの確度で改正される模様です。
償却可能限度額(取得価額の95%)、残存価額(10%)を廃止するとしています。また、耐用年数についても手を付けるようです。ただし、固定資産税は今まで通りと、地方税の税収に考慮する内容となる模様です。
どうも読み切れません。答申では、減税・増税の議論もあるが、「中小事業者における事業承継の実態を把握し、課税の公平性に留意して、経済活力の維持を図るとの観点も踏まえ、事業活動の継続に対する支援の基本的な在り方についてさらに検討していく」としています。来年は無理でしょうが、事業承継対策をして前調査会と同様に増税を考えているのかも知れません。
海外取引に関する税収の帰属の問題です。中小法人にはあまり縁はないと思いますが、大法人では、かなり問題になっているところで、移転価格税制に対する迅速な対応をとるための改正を予定している模様です。
事業税の社会保険診療報酬の非課税措置の廃止、自由診療に係る医療法人の所得に対する軽減税率についても、見直しが予定されています。厳しい内容です。
上場株式等の配当や譲渡益の軽減税率(10%)を、期限切れに伴い廃止を打ち出しています。すんなりと行くかどうかは不透明です。
そのほか、利子・配当所得の総合課税に一体化する、それに踏まえて納税者番号制度の早急な実現を図るとしています。
まもなく、党税調からのペーパーも出るでしょうから、もう少し具体的になりましたら、またお知らせします。
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12月の税務・総務予定
(税務)
*給与所得の年末調整
(原則)本年最後の給与の支払時
*固定資産税・都市計画税 (第3期分)の納付 通常月末(1月4日)
(総務他)
*年賀状の郵送
*年末ボーナスの支給
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Q 当社の従業員は、妻が契約者となっている生命保険の保険料を支払ったとして、妻名義の生命保険料控除証明書を添付した保険料控除申告書を提出してきました。当社で年末調整を行う際に、その保険料を生命保険料控除の対象としてよいでしょうか。
なお、その生命保険の被保険者及び満期保険金の受取人は妻、死亡保険金の受取人は従業員となっています。 |
A その従業員がその保険料を支払ったことを明らかにした場合は、生命保険料控除の対象としても構いません。
ただし、この場合にも、その生命保険契約等の保険金の受取人のすべてが給与の支払を受ける人又はその配偶者その他の親族でなければなりません。
しかし、問題は契約者の夫であるその従業員が支払ったことによって、将来受け取る保険金の課税関係が大きく相違することです。このため、通常はこのよう
な支払い方法はやらない方法が賢明です。
Q 本年7月にC国の現地法人に出向しC国に2年間の予定で勤務することとなった従業員に対し、その出国時に年末調整を行いましたが、その後突発事由が発生したことによりC国での工事ができなくなったため出向を取りやめ、10月に帰国(出向元に復帰)した従業員がいます。この者に支払う給与の年末調整はどの方法によって行うことになりますか。 |
A 居住者であった期間(1〜7月、10〜12月)に支払う給与を合計して年末調整を行います。
年末調整は「その年中に支払うべきことが確定した給与等」を対象として行うこととされており、年の中途において非居住者期間があった者についても、その者の居住者期間内に支払うべき給与を合計して年末調整を行います。
また、その年12月31日に居住者である者でその年において非居住者であった期間を有するものに対する所得税は、居住者であった期間内に生じた所得を基礎と
Q 当社の従業員は、いわゆる共働きで妻は別の会社に勤務しています。彼には長男と長女がおり、いずれも小学生ですが、長男は甲の扶養親族とし、長女については妻の扶養親族とすることはできますか。 |
A 重複しない限り、いずれの者の扶養親族としても差し支えありません。
同じ世帯に所得者が2人以上いる場合には、これらの者の扶養親族等を、その夫や妻若しくは同じ世帯の他の所得者のいずれの者の控除対象配偶者や扶養親族とするのかといった問題がありますが、このような場合には、「給与所得者の扶養控除等申告書」に記載されたところによることとされています。
このように、同じ世帯に所得者が2人以上いる場合には、同一人をそれぞれの所得者の控除対象配偶者や扶養親族として重複して申告しない限り、どの所得者の扶養親族等としても良いことになります。
(このQ&Aは、国税庁「年末調整のしかた」及び「源泉所得税関係質疑応答事例集」によっています。)
P5コーナー
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今年を振り替えって
会社法が改正されたことに伴い、決算書も大分さま変わりしてきました。
事務所でも、改正に準拠した決算書類を作成するのはもちろんですが、内容を充実するため、中小企業の会計指針にも出来うる限り近づけるべく決算時にお話しをさせて頂くと共に、注記の充実を図っております。
次の段階は、会社の経営者の方に、事業報告・事業計画を書いていただければと思っています。会社を経営して多くの家族を養っているという自負と責任を前面に出していただければ、また新しい方向に必ずや向かうはずです。
今年も、色々なことがありました。年の始めに、『新会社法と税務会計』と『法人税法講座 改訂版』を書き上げました。改正が多く苦労しました。まだ不十分ですが、来年はここ・あそこを直したいと思っています。
また今年から大学院や駒澤大学法学部の講義が始まり、チョット違った新鮮な大学講義となりました。
税理士会員対象の相談員は、9月で終わりましたが、その間は相談を受けるばかりでなく、自分自身も勉強させてもらいました。11月に、何を思ったか事務所内にインターネットのサーバを作り常時稼働しています。どのように利用しようか現在模索中です。
今年も、1年間この事務所通信をお読みいただき有り難うございました。
来年もどうぞ宜しくお願いいたします。
編集後記
師走、家々に飾られたイルミネーションが寒風に負けないように暖かく光を放って、なんだかホットさせてくれます。来年はどんな年になるのか、あるいはどんな年にしようかを考えるのも良いかも知れません。
どうぞ風邪など引かないように、すばらしい新年をお迎えください。
編集発行 株式会社プランニングファイブ
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