P5 NEWS         SHONAN TAX OFFICE NO.141
 

平成13年6月1日

ペイ・オフ

 

 金融機関の破綻は、珍しいことでは無くなってきたため、預金者の保護が問題となっています。

 このための保護策として、“ペイオフ”があります。ペイオフとは、金融機関が経営破たんした時の預金の払い戻し、精算のことで、金融機関が破たんした場合に、預金保険機構が積み立てている保険金を預金者に支払い預金者を保護するものです。この制度は、預金保険制度が71年に創設されたのに合わせて導入されましたが、一度も発動されていません。そして来年(平成14年)4月にこの凍結が解除されるそうです。

 なんだか良くなるような感じを受けますが、そうではなく全額保護されなくなるということです。すなわち、来年3月までは預金や金融債は全額保護されていますが、4月以降は全額保護されず、1,000万円を超える部分は破綻状況により、一部または全部がカット(=ペイオフ)されます。ただし、当座預金、普通預金等の流動性預金は、さらに1年間全額保護されるとのことです。

 保護される1,000万円(元本)とその利息は、1金融機関あたりで適用されますので、支店が異なっても同一金融機関であれば、全体で1,000万円までとなります。

 銀行預金は安全確実の時代は終わり、自己責任で預金の預け先を選ばなければならなくなりました。

 しかし、安全な金融機関はどこかと言っても、そう簡単に判るはずもなく、

結果として、預金者は預け先の分散を図らざるを得なくなります。

 農協、郵便局、政府系金融機関、証券会社、生命・損害保険会社は、預金保険機構の対象となりませんが、農協の場合も貯金保険機構による制度がありこちらも1,000万円まで保護されるそうです。郵便局は民営化されなければぺイオフはなく、従来通り!!

 


6月の税務・総務予定
(税務)
*所得税の予定納税額の通知  15日
*個人住民税の納付

(総務他)
*ベースアップの通知
*夏期賞与の決定・準備
*梅雨時の健康管理
 

 保険会社は、保険者保護機構から責任準備金等の一定額が保護されますが、

実際に破綻すれば保障も返戻金も予定利率も大幅にカットされてしまいます。保険のように長いスパンで保障等が発生するものは、今経営が良くても後でどうなるかは誰にも判りませんので、契約の内容で防衛するしかないかも知れません。

 ペイオフのQ&Aを・・・

Q.長年付き合いのある銀行に1,000万円以上の預金がありますが、なかなか他行へ預け替えることができません。何かよい方法はないのでしょうか。

A.自分の資産は自分で守る時代ですので、預け替えを検討された方がいいと思いますが、現在預けている銀行で取り扱われているMMFなど元本割れの危険性の少ない公社債投信に乗り換える方法もあります。

Q.取引銀行には預金の他に住宅ローンがあります。この場合には借入金部分は相殺してくれるのでしょうか。

A.例えば、住宅ローン1,000万円と預金1,800万円あったとしますと、ローン分1,000万円が相殺され、800万円の預金が保護されます。ただし、その旨が取引約款に載っていることを必ず確認して、載っていなければ相殺されませんので、その際は、そこの預金は全額他の銀行に移す方が賢明です。

Q.保護の対象にならないものはどのようなものですか?

A.定期預金、貸付信託、個人向け金融債のビッグなどは元本1,000万円までとその利息が保護対象になりますが、リスク性のある外貨預金、元本保証のない金銭信託のヒットなどは保護の対象とはなりません。

 またわが国の預金保険制度の対象になる金融機関は、預金保険法の施行地である日本国内に本店を有するものと定められておりますので、日本に本店を有していない外国銀行の在日支店は、わが国の預金保険の対象にはなりません。もちろん、外国に本店のある金融機関等の出資により、日本国内に設立された銀行は、日本国内に本店を有する金融機関として預金保険の対象となります。

Q.最近銀行の統合が進んでいますが、この場合には、同一グループ内銀行預金はどのように保護されますか。

A.預金保険機構では、「金融庁から免許を受けた銀行単位で保護」されることになっています。

 現在のメガバンクの統合は、現時点で大きく2つの形態に分かれています。一つは、完全に合併するタイプで、これは同一銀行となってしまいますから合算されてしまいます。例えば、今年4月に合併した三井住友銀行があり、旧さくら銀行、旧住友銀行にあった口座の預金は個人ごとに合算されて保護されます。

 もう一つは、持株会社の下で経営統合するケースです。これは、“みずほフィナンシャルホールディングス”で、持ち株会社の下に富士銀行、第一勧業銀行、日本興業銀行の3行が別々の銀行として営業しており、それぞれの銀行ごとに預金保険の保護対象となります。ただし、将来的には、個人、中小・中堅企業を対象とするみずほ銀行と、大企業を対象とするみずほコーポレート銀行などに再編成されるとのことですので、合算されると考えていた方がいいかも知れません。

 

 統合した(する予定の)4大グループを整理しておきます。

@みずほホールディングス・・富士銀 行、第一勧業銀行、日本興業銀行

A三井住友銀行・・三井住友銀行

BUFJホールディングス・・三和銀 行、東海銀行、東洋信託銀行、東海 信託銀行

C三菱東京フィナンシャル・・東京三 菱銀行、三菱信託銀行、東京信託銀 行、日本信託銀行

 上記の銀行で預金を移し替える場合には別々のグループにしておいた方が無難かも知れません。その他には、信用金庫、農協、郵便局などに分散する方法を考えてください。

 

 いずれにしましてもペイオフ解禁で預金者は自己責任を求められる時代を迎えます。これからは金融機関の経営状態に十分注意を払うとともに、金融商品や資産運用に関する知識を深めるが必要となります。

 詳細は、預金保険機構のホームページ(http://www.dic.go.jp/)でお確かめ下さい。

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          Corner 

 

 使用人に対する過大給与

 

 使用人に支給する給与等は、原則として損金算入が認められています。しかし、法人が代表者の配偶者や子供に多額の給与を支払い、法人税の負担軽減を図っているといった問題点の指摘があることから、使用人であっても、役員の親族等に対して支給する過大な給与については、損金の額に算入しないこととされています(法法36の2)。

給与の範囲

 通常の給与(賞与を含む)のほか、経済的利益その他の利益が含まれ、退職給与に該当するものは除かれます。

特殊関係使用人の範囲

 役員と特殊関係のある使用人とは、次に揚げる者です(法令72の2)。

@ 役員の親族

A 役員と事実上婚姻関係と同様の関係にある者

B その他の者で役員から生計の支援を受けている者

C A及びBに揚げる者と生計を一にするこれらの者の親族

不相当に高額な部分の金額

 その使用人に対して支給した給与の額が、次に掲げる事情に照らして相当であると認められる金額を超える場合における、その超える部分の金額とされます。

@ その使用人の職務の内容

A その法人の収益

B 他の使用人に対する給与の支給状況

C その法人と同種の事業を営む法人の使用人に対する給与の支給状況等(法令72の3)

 

1、今月のパソコン教室は、

 省 略


 編集後記
 梅雨入りもすぐそこまで迫ってきました。これから暫くはうっとうしい日々が続きますが、気分は爽やかに過ごしたいものです。
 納期の特例を選択されている皆様は、来月10日が源泉所得税の納付期限となりますので、資金繰りに予定しておいてください。
 編集発行 株式会社プランニングファイブ