草木の緑も５月になると輝いて見えます。しかし新緑はカラット晴れた日よりも薄曇りの日の方がなぜか落ち着いて見えることがあります。今年の５月のゴールデンウイークは、連続した連休とはいかずに、行楽地の人出もマーマーで、その上、快晴はあまり期待できないようですが、家にいて、曇り空の下で映える草木の緑を見てのんびりした休日をお過ごしください。

イギリスでは、今日、総選挙が実施され、これが皆様の手元に届く頃には大勢が判明していると思います。18年間政権を担当した、保守党がそのまま政権を担うか、あるいは野党労働党に政権が交代するかは、他の国のこととはいえ時代の変革を感じさせます。イギリスの選挙で感じることは、選挙で国民が選択できるということです。イェス・ノ−の選択肢があることはすばらしいことです。

アメリカでは、建国当初は、裕福な資産家が各州の代表となり、一種の貴族政治が行われていました。それでは人民による民主政治はできないとして、自分たちで政党（パーティー）という私的結社を作り、一般民衆がそれに結集した形で選挙が行われ、ジェファーソンが1800年に合衆国第３代大統領に選ばれたそうです。それ以後、アメリカでの今日の２大政党を国民が選択することができるようになっています。

２大政党に対する批判も確かにありますが（議席の比率が得票数の３乗に比例する『３乗比の法則』など）、それ以上に大事なことは国民が法律を作り行政を任せられる政治を選択できる選択肢が持てるということです。その意味では、イギリス国民は、今回、イェス・ノ−の選択をできるキ−を得たことになります。

日本に目を向けると、政治に対する土台はあまりにお粗末です。国民にとって選択をすることができる政治には余りにほど遠いものとなっています。保保連合を叫ぶ政治家が出るほど意識は前時代のままです。

ある連立与党の党首が挨拶の中で、

政治家の質の多くが選挙制度によって左右される場合が少なくありませんが、前回の選挙制度での批判としては、小選挙区選挙で落選した候補者が比例区選挙で大量に復活していることがあげられています。

もう一つ、もっと大きな批判としては、比例区から立候補して当選した議員についてです。党籍変更をすれば議席を喪失させるべきです。

これについては、過去に多くの議論が展開されました。議席を喪失しないという考え方を簡単にいいますと、議員は全国民の代表ですから、当選すれば一政党や一地域の代表ではなく何ものにも拘束されないとする考えです。これを自由委任といっています。これに対してヨーロッパ諸国を中心に第２次大戦後、党籍を変更した場合には議席を喪失するという立場が多くなっています。しかし比例区については、誰も候補者を特定して選んでいないこと、政党名を記入することは、政党という一種の法人と同種の団体を選んでいるのであって、決して個人を選んでいないいないことなどから、当然、党籍を変更すれば議席は喪失されるべきです。

今回は政治的な話になってしまいましたが、最近の風潮を見て書かせていただきました。いずれにしても一番大事なことは、国民の意識であることはもちろんです。

平成９年の税制改正は３月に国会で可決され、概ね４月１日より動き出しています。内容については、「Ｐ５通信」の本年１月号に記載しておきましたのでそちらをお読みください。取り立てて目玉となるモノはありませんし、税制は施行されたときはもう古く重要では無くなっている場合が少なくありません。

今年は消費税を書くことにしており ますので、今月号も少し書かせていただきます。

簡易課税の話を・・・

簡易課税とは、消費税の申告の計算で、売上に５％をかけて計算した消費税額から仕入で支払った消費税額を引く場合に、この引く消費税額を業種ごとに売上の何割と決められたところで計算します。

一般には、簡易課税を選択すれば、記帳が面倒でないとか、通常で計算するときより消費額が少なくなることから使われ、一部小規模な事業者にだけ認められています。

この制度が、少し変更され動き出しました。変更になるのは、通常、法人では、来年の３月決算法人から、個人では平成１０年度の申告から適用となります。主な内容は・・

１種・・９０％、２種・・８０％

３種・・７０％、４種・・６０％、 そして ５種・・５０％ です。

この５種事業の範囲としては、不動産業、運輸通信業にサービス業とされていますが、具体的にあげてみます。

建売住宅を販売する建築業で、自分のところで建築しない場合には通常不動産業といわれますが、この場合は５種ではなく、１種又は２種になります。

飲食店は、４種事業となります。

５種になるものをあげてみます。

クリーニング業、自動車修理業（ガソリンスタンドが行う修理もここに入ります。）、縫製業、ＤＰＥ取次業、医療業、歯科医師の自由診療による義歯代金、駐車場業、宿泊料、娯楽施設、ソフトウエア−業、広告業、士業、学習塾などなどまだまだ沢山ありますが、この様に多くの事業業種が５種となり、納税額が今までの倍近くになると思われます。納税資金の確保をお願いします。

Ｐ ５ Ｃｏｒｎｅｒ

盗みをした子供（ウソップ物語）

昔々、子供が学校から同級生の本をこっそり盗んで母に持って帰ってきました。しかし母は、彼を叱らないばかりか彼を誉めました。二度目には着物を盗んできて母に持ってきましたが、母は前より一層子供を誉めました。
その子供が歳を経て若者になったときには、もっと大事なものまで盗むようになっていました。ある時、盗みの現場を捕らえられ、後ろ手に縛り上げられて死刑執行人のもとへ引っ張られていきました。母は、彼の後ろについてゆき、あたり構わず嘆いておりました。
若者は、一言母の耳に入れたいことがあるといい、母が近づくやいなや母の耳朶を掴んでそれを噛み切りました。
母は、若者の親不孝を責め、「犯したことの反省もせずに母まで片輪にした。」と怒りました。
若者は、「いや、私が初めて本を盗んであなたに持っていったときに、私を叱ってくださったら、こんな姿で死刑となるために引っ張られてゆくほどにはならなかったでしょう。」と・・

過ちを教えることの大切さは勿論ですが、責任を人のせいにするのは今も昔も変わりないのかも知れません。

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Last Updated: 4/MAY./1997