P5 通 信 NO.90 |
3月の税金予定 所得税・贈与税の申告期限17日 固定資産課税台帳の縦覧期間 3月3日〜21日 個人消費税の確定申告 31日 |
(お話1)私は今年3月31日から1泊でホテルに宿泊します。そのホテルは朝食付きで、支払は宿泊分も含めて4月1日に払うことになっています。私は消費税としていくら請求されるでしょうか。
(お答え)チェックインは確かに3月31日ですから、夜中の12時までは3%の消費税、12時を過ぎてからの宿泊代と朝食代は4月1日になっていますので5%の消費税になると考えるのが最も一般的ですが、どうも感情的には納得いきません。普通、予約するとき「3月31日の日一泊お願いします。」というでしょう。意識の中では31日の日に泊まるという認識を持たれていることが多いようです。そこでこの様な場合には朝食付きで有れば3%の消費税でかまわないとされています。もちろん、朝食を部屋で食べようとすれば、これは別料金となりますのでこの分は5%請求されます。この理屈で納得できた人は心の広い人でしょう。何となく判りにくいですがそうなっていますので素直に呑み込んで下さい。
(お話2)3月31日に商品を注文して、当社に入荷したのは4月になってからです。当社では、4月分として仕入れに計上しておりますが、仕入先の請求書には消費税として3%と記載されておりました。消費税法では仕入れに係る消費税は計算で行いますので5%となっているものとして計算するのでしょうか。
(お答え)なかなか面白い質問ですね。消費税での仕入れについては、仕入先が免税事業者であっても消費税がかかっているものとして計算しますから、その延長線上から言えば答えはイエスとなるのでしょうが、例え矛盾していてもさすがにこれをイエスとは言えないようで、3%で計算することになっています。残念でした。
(お話3)当社は、3月決算法人ですが、毎年3月に半年分のコンピューター保守料金を前払いしております。請求書では4月からの分として5%の消費税が計算されており、この一括支払分は当期分の費用として計上しております。この場合に今年の3月の決算時に5%の消費税が係っているとして計算するのでしょうか。もしそうでなければ、2%部分の仕入れにかかる消費税はどうなるのでしょうか。
(お答え)仕入れた方で2%部分の消費税を泣いて貰うのが一番丸く収まる方法でしょうね。何故ならばその方が計算が簡単になりますから・・・もちろんそれでは仕入れ側は納得できないでしょうから、5%を認めることになっています。しかし喜ぶのはまだ早いですよ。仕入れ側で一番ベターな方法はというと、今期の3月まで3%の消費税を控除して翌期に残り2%の控除が出来れば言うこと無いでしょうが、大蔵省では2%の消費税なんて無いと言うことで、今期では一銭も仕入れ税額控除は出来ず、「仮払金」として翌期に繰り越すことになっています。そうです。もう消費税5%は動き出しています。
(お話4)私は、十数件の店舗を貸しており、通常前家賃で頂いております。そのため3月に受け取る家賃は4月分ですので5%の消費税を掛けて請求しようと思っています。契約更新は後1年ほど先になっていますが、賃貸借契約書には、「*条 契約期間中といえども、物価の騰貴等の事由により約定賃料額が不相当となったものと判断したときは、甲(貸主)は賃料の増額を請求することができる。」となっています。この場合もし増額できないとなるとどうなるのでしょうか。
(お答え)さて困りましたね。基本的には5%の消費税の請求は可能だと思いますが、相手さんが納得するかどうか?消費税が導入された当時でもこの種のトラブルがあり、裁判になったものもあります。裁判所は、消費税というのは消費者に転嫁を予定しているが、消費者に消費税の支払い義務を課したり、事業者に消費者に対して私法上の請求権を認めたものでもないとして消費税の増額を認めなかった事例もあります(大阪地裁H2.8.3)。
そこで早い話、借り主が認めれば良いけどそうでなければ裁判で争って負けることになるかも知れないよと言う答えです。判り易い答え(?)でした。一方、それならば更新まで3%の消費税で済ませたときに消費税の計算では3%になっているとして計算して良いのかという問題が残ります。平成8年9月30日以前に契約して、その契約内容の中に賃料の変更を求める旨の定めがない場合には、経過規定が適用されて契約期間中は3%でよいことにされていますが、この場合契約書中に記載されている「物価の騰貴等の事由により」ウンヌンが経過規定が適用されない要件になるになるのではないかとも考えられます。この様な文言のある契約者は、市販されている一般の契約書式でよく見かけるものですが、これが賃料の変更を求めたものに当たるかは難しいところです。最悪の場合は、3%の消費税しか請求できないのに消費税の納付は5%で計算してより多くの消費税を納付しなければならなくなります。これについて明確な取り扱いが定められているわけではありませんが、個人的な意見としては、これら条項があっても賃料の変更を定めた物とは言えないと思っています。その理由は、実際にはこの条項によって賃料の変更が行われることは、又は行われたことはまず無いこと、あくまでも慣習的に記載されている程度であること、消費税の税率の変更によって対価の変更をする旨の契約は、変更とされていないこと等から「変更」に該当しないでも良いのではないかと思っています。しかし一番安全な方法は、この条項を削除することでしょう。
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編集後記 春一番の嵐と共に、消費税の嵐がすぐそこまで来ています。3月末から4 月に掛けての帳簿はかなり混乱する事と思います。決算の時にあわてること の無いよう各取引が3%に対応するのか、5%に対応するのかを必ず記帳し ておいて下さい。春一番は花粉も運んできました。今年は花粉の量がかなり 多いと言うことで、花粉症に悩まされそうです。 編集発行 株式会社プランニングファイブ |
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Last Updated: 4/MAR./1997