P5 通 信
NO.89
平成9年2月1日

ウソップ物語

今月はイソップ物語から、「馬と牛と犬と人間」のお話です。
ゼウスは、地上に生命をお造りになったとき、人間は寿命の短いものとされました。しかし人間は自分の分別で以て、冬が来たとき寒さを防げるようにと自分で家を建てて暮らしておりました。
ところがある時寒さが激しくそのうえ雨も昼となく夜となく降り続いていました。馬は我慢しきれなくなって、走って人間のところにやってきて、どうか自分に宿を貸して下さいと頼みました。人間は、もしおまえの寿命をいくらか分けてくれたら、宿を貸してやるが、そうでなければイヤだと言いました。馬は喜んで譲りましたが、その後間もなくして、また牛が嵐に我慢できずにやってきました。人間は同じようにお前の寿命を幾年かくれなければ、家に入れてやらないと言いましたので、牛も又自分の寿命をいくらかやって家に入れて貰いました。最後に犬が寒さのために死にそうになってやってきて、そして自分の寿命をいくらか分けてやって宿を貸してもらいました。
こう言うわけで人間は、ゼウスから貰った歳のうちは無邪気で善良ですが、馬から貰った歳になると、法螺吹きで高慢ちきとなり、牛の歳になると、支配することに通じ、犬の歳になると、怒りっぽく口やかましくなったとのことです。
これは、口喧しくなった老人に対して皮肉ったイソップの話です。

次に現代版の「ウソップ物語」をこの話の続きを・・・
2月の税金予定
贈与税の申告 2月1日〜
所得税の確定申告 2月17日〜
固定資産税四期分納税 2月末
その後、今度は怠けていて家をつくらなかった人間がやってきました。
「どうぞ宿をお貸し下さい。」「お前は人間で寿命はあまりないので、分けて貰うわけにはいかないが、何か分けるものを持っているか」と尋ねました。
「お宅には、馬や牛や犬がいますが、その世話をさせていただきます。」人間が二人一緒に暮らしていると段々ストレスが溜まってきて、寿命をたくさん分けて貰った人間は、その寿命を使い切らない内に死んでしまいました。残った居候をしていた人間は、余った寿命を貰ってその後、家も手に入れて楽しく暮らしたと言うことです。
なに!!楽しく暮らした人間は奥さんに似ているってっか!!

税金の季節
これから3月15日にかけて所得税の確定申告など個人の申告・納税の季節となります。次にいくつか注意点を挙げておきます。
*医療費控除に関係して
平成8年に、ご本人やそのご家族の方が医療費を支払った場合には、一定の部分について所得から引かれて税金を計算する制度が有ります。通常、長期入院や歯の治療などによる支出による場合に控除されます。一般には、昨年中に支払った医療費から保険により補てんされたものを控除した金額が10万円以上の場合に、税金が少なくなります。
最近多い事例に、寝たきりのご老人とご一緒に自宅で生活されている場合には、おむつの購入費がバカになりません。しかしこの分の控除を受けるためには、医師の「おむつ使用証明書」が必要になります。寝たきりなら、おむつを使うのは当たり前ですが、証明書の添付を求めてきますのでご注意下さい。
*ゴルフ会員権の譲渡損失
バブルの崩壊以後、ゴルフ会員権の相場が下落して、今売ると買ったときの金額より安くなる場合が少なくないようです。通常の有価証券ですと分離課税されますので他の所得と通算できませんが、株式形式のゴルフ会員権を売却して損失が出た場合には、他の所得と通算することができます。サラーリーマンでは、これによる還付を受けられることが多いようです。ただし、昨年度の申告で、会員権業者とウソの売買契約書をつくって、損失を計上した事例では、否認され多額の加算税を支払ったそうです。

消費税値上げN0.2
P5Cornerで、先月号か
ら取り上げましたが、紙面の都
で、こちらに移させていただき
す。
大蔵省では、消費税法は適正な転嫁を強制するものでもなく、また、保障するものでもないと説明しながら、一方では次のように説明しています。これから始まる事業年度の前の日に法人の代表者は、課税事業者になるとか簡易課税を選択するといった届出を出すわけですから、明日から新事業年度だから、今後の一年間の納付すべき消費税額に相当する分の消費税相当額を転嫁することを予定していると説明しています。なんだか判りにくいかも知れませんが、こういうことです。ある品物を税抜き500円で売るとします。今度消費税が5%になるので25円の消費税を付けようとしたのですが、簡易課税でも何でも良いですが、実際に計算すると、20円分で済むのなら520で売れと言っているのです。こんなことが、これから始まろうとしている事業年度の最初に出来ると思うのは、算数の世界だけです。
具体的に数字で出しますと、我が社は山田商店から商品を300円で仕入れ、500円で売っていたとします。山田商店は、免税事業者でかつ仕入れに消費税が入ってないので、300円で売っていました。我が社は5%の消費税を課して一般消費者に525円で売りますが、実際に計算すると6円の納付で済みます。
山田商店からの仕入れは、消費税が5%入っているとして計算することになっていますから計算では、
25円−300×5%/105=10.7円
これが6円で済むとのことですので4.7円減らして、売値を無理矢理下げてそれに5%掛けるレジを打って税込み520.3円で売ることになります。算数の世界ですから単純です。
いくつも取引を経て最終消費者に売られる場合には、もっと複雑で、消費税とは一体何だったのか判らなくなってしまいます。
ま−、結局、消費税納税アップ部分だけの本体価格の値下げを求めるという永遠に回答の出来ない回答をしていることになるのです。
4月からの消費税率アップは、もうそこまでやってきました。公共料金の値上げはいち早く決定されています。

P 5 Corner

既にお知らせいたしましたが、所得税の確定申告時期が迫っています。
平成8年分の所得税の確定申告をしなければならない人は、
@昨年中に事業所得や不動産所得などの所得のある方は申告しなければなりません。土地の交換など実際には現金が動かない場合でも、譲渡となり申告が必要となります。
A給与所得がある方で、
イ.医療費控除や、住宅取得控除などにより還付を請求される場合。
ロ.給与を二ヶ所以上から受けている場合。
ニ.年末調整をしなかった(できなかった)場合
などです。

編集後記
日本海のナホトカ号からの重油流出事故発生から、1ヶ月経過しました
が、今も地元の方々や、ボランティアの皆さんの厳寒の海岸での辛い除去作
業が続いています。阪神大震災、オウム事件に続き今回も又、国の危機管理
の甘さが指摘されています。
編集発行 株式会社プランニングファイブ


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Last Updated: 7/FEB./1997