P5 NEWS      SHONAN TAX OFFICE NO.259   
 

 
平成23年5月1日
 
補正予算
 

5月のGWは、東日本大震災の影響で自粛ムードが広がり、客足が遠のくなどの影響が見られるようです。

 4月28日に審議入りした4兆円規模の補正予算は、原案通り成立の運びとなりました(5月2日成立)。

 

 政府では、当初予算の成立後に予見し難い事態への対応として予備費の計上が認められていますが、予備費でも対応できないような事態が生じる場合には、追加予算として補正予算が組まれます。

 麻生内閣時の大型補正予算のように今までは経済情勢の悪化で追加予算が計上される場合が多かったようです。今回は、直近の災害に対処するために計上されたもので、本格的な復旧予算は、これからとなります。

 今回の補正予算の特徴は、災害関連経費(4兆円)の大半を既定経費の軽減(3.7兆円)で手当てしたことです。主なところでは、「基礎年金国庫負担の年金特別会計への繰入の減額」が2.5兆円、「経済危機対応・地域活性化予備費の減額」が8千億円に「子ども手当の減額」が2千億円で、公債費の収入に因らず、とりあえず手当てしたといった感じです。

 政府のこの予算の概要で、「財源については、国際市場の信認確保の観点から追加の国債を発行せず、歳出の見直し等により確保」するとしています。

 この補正予算により早期に手当てしなければならない災害関連経費として、@河川・道路等のの復旧や一般公共事業として1.2兆円、A自衛隊・消防等の活動経費として8千億円、B中小企業等の事業再建や経営安定のための融資等の6.4千億円やC応急仮設住宅や弔慰金・見舞金などで5千億円が計上されました。

 復興に向けた予算はこれからもっと必要になるでしょうし、政府も・国会も・国民も、自民党政権下で発生した国債発行で積み上げられた巨額の借金は既に限界にきていると感じているのではないでしょうか。もはや早い時期の大幅増税しか道は無いかも知れません。

 

5月の税務・総務予定
(税務)
*特別農業所得者の承認申請期限            16日
*22年分所得税延納分の納付期限            31日
*自動車税の納付   通常月末
*個人住民税特別徴収税額通知         まもなく

(総務他)
*クールビズ等節電対応計画
*作業服等の衣替え準備
*労働保険の更新手続きは、
6月1日(水)から7月11日(月)まで
 
 

被災された方の税金について第一弾として「東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」等が4月27日に公布・施行されました。

 これにより、国税関係の主なところは・・

  個人の所得税関係

@ 住宅・家財等に生じた損失

 平成22年分の所得から雑損控除として控除し、控除しきれない部分は5年間繰り越せる(4、5条関係)。

A 事業所得者の棚卸資産や事業用資産に生じた損失

 平成22年分の事業所得の計算上、その損失額を必要経費への算入し、引ききれなかったときは、青色申告者の場合は被災事業用資産以外の損失を含め、更に21年分所得への繰戻還付をすることができる(6,7条関係)。

B 個人が、平成23年3月11日から平成25年12月31日までの間に支出した震災関連寄附金について、

 イ 寄附金控除についての控除対象限度額を、総所得金額等の8割までに

 ロ 認定NPO法人及び共同募金会連合会に対して支出した震災関連寄附金のうち被災者の支援活動に必要な資金に充てられるものについて、その寄附金の額が2千円を超える場合には、所得控除との選択により、その超える額の4割(所得税額の25%を限度)を所得税額から控除することができます。

 

法人税関係

C 平成23年3月11日から24年3月10日までの間に終了する事業年度で、法人の欠損金額のうちに震災損失金額がある場合には、その震災損失金額の全額について2年間まで遡って繰戻還付ができます。また中間申告での対応もされています。

D 震災により滅失若しくは損壊をした建物、構築物若しくは機械装置等の代替資産の取得をしてその事業の用に供した場合には次のような特別償却が用意されました(第11、18条等関係)

 イ 建物又は構築物

 平成26年3月31日までの間に取得等をしたもの15%(中小企業者等18%)

 平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に取得等をしたもの10%(中小企業者等12%)

 ロ 機械装置、車両運搬具など

 平成26年3月31日までの間に取得等をしたもの30%(中小企業者等36%)

 平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に取得等をしたもの20%(中小企業者等24%)

 

相続税・贈与税関係その他

E 平成23年3月10日以前に相続又は贈与により取得した財産に係る相続税又は贈与税で同月11日以後にその申告期限が到来するものについて、指定地域内の土地等及び一定の非上場株式等の価額を東日本大震災の発生直後の価額(被災後時価)とし、申告期限も延長されます(34 〜36条関係)。

 この指定地域については、青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉県の全域と、新潟県十日町市・中魚沼郡津南町、長野県下水内郡栄村とされています(23年4月27日官報号外特31号・財務省告示144号)。また、指定地域内にある一定の動産・不動産等の価額が保有資産の合計額の3割以上である法人の株式等(上場株式等を除く)も対象となります。なお、贈与税についても同様の措置が取られています。

F 住宅取得資金の贈与税の特例の適用を受けようとしていた住宅が、大震災により滅失して居住できなくなった場合には、その住宅への居住要件が免除されます。

G 被災自動車に係る自動車重量税を還付するなどのほか、ガソリン小売価格が連続3ヵ月間1リットル160円を超えた場合にガソリン税を引き下げる「トリガ―条項」を“東日本大震災の復旧及び復興の状況等を勘案し別に法律で定める日までの間、適用が停止されました。

H 被災者が滅失をした建物に代わるものとして取得する建物の所有権の保存登記及び移転登記に係る登録免許税は平成33年3月31日までの間、免除されます。

I 地方公共団体又は株式会社日本政策金融公庫等が被害を受けた者に対して行う金銭の特別貸付けに係る消費貸借に関する契約書のうち、平成33年3月31日までの間に作成されるものについては、印紙税は課されません(47条関係)。

J 次の場合の不動産の譲渡に関する契約書又は請負に関する契約書で平成33年3月31日までの間に作成されるものについては、印紙税は課されません(48条関係)

 イ 震災により滅失・損壊した建物やその土地を譲渡する場合

 ロ 東日本大震災により損壊した建物を譲渡する場合

 ハ 滅失等建物に代わるものの敷地の用に供する土地を取得する場合など。

 

 省略

 
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税理士制度−15

 前回は、55年改正法のうち「税理士の業務」についてお話しをしました。さて、その続きです。

 

 昭和55年5月に国会(第87回)に提出された「税理士法の一部を改正する法律案」は、同年6月に審理未了廃案となり、同年8月の臨時国会(88回)でも9月の衆議院の解散により廃案となりました。昭和54年9月に招集された特別国会(89回)でも法案審議が行われないまま会期が終了し、同年12月に開会された第90回の臨時国会においても継続審議となり、昭和54年12月21日に開会された第91回通常国会に引き継がれ、翌昭和55年4月8日に昭和40年の廃案以来実に15年ぶりに改正され、同年10月13日から一部を除き施行されました。なお、3月号掲載の通り、参議院で「税理士の使命」中一部が修正され、再度衆議院で可決されました。難産となった改正法の成立です。

 その後、平成の時代に入りますと急速な経済取引の国際化・電子化の進展に伴い前回の昭和55年に改正されてから既に20年余りが経過した平成13年3月に税理士法が改正され、翌14年4月から施行されました(以下、「13年改正」といいます。)。

 13年改正では、@従来の個人税理士として開業する以外に税理士法人や補助税理士という新しい業務形態が創設、A専門家としての知識を生かすために裁判所において補佐人となる制度の創設、B申告書に税理士の意見等を表明する書面添付における意見聴取制度の拡充や、C税理士試験制度に関して受験資格要件の緩和と試験科目免除制度の見直しなどが行われました。

 13年改正の提案理由としては、「政府は、最近の税理士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ、納税者利便の向上に資するとともに信頼される税理士制度を確立するため、所要の見直しを行うこととし、本法律案を提出した次第であります。」(宮沢大蔵大臣、平成13年4月3日参議院財政金委員会議事録)として上記のような改正が行われました。

 この13年改正は、当時の規制緩和の要請を踏まえつつ、かなり広範囲な改正となりました。

 この続きはまた。

 

 省略

 

編集後記 大型連休も今年は、どうもパットしません。自粛ムードだけでは、世の中全般の元気がなくなるような気がします。中江も今月から岩手に行きます。ただ、交通機関も前のままというわけにはいかず、移動に余分に時間が掛かりそうです。被災地が、安心できる生活を一日も早く!!
  編集発行 株式会社プランニングファイブ