P5 NEWS      SHONAN TAX OFFICE NO.245   
       

 

                  平成22年2月1日

                 確定申告のスタート

 

  2月と言いますと、所得税の確定申告が始まります。すでに関係書類も頂き、事務所でも申告が始まりました。

 昨年から、大半の申告は電子申告とさせて頂きましたが、このため申告書が送られてこないなど、事務所や税務署にお尋ねになられる方もいらっしゃいます。申し訳ございませんが、次のようになっています。

 昨年私ども税理士や無料相談会場で電子申告(代理送信)された皆様には、

 

*税務署から、所得税・消費税の申告書も決算書も送られて参りません。
*また電子申告で、振替納税されていない方の納付書は、別に送付されます。2月上旬になるそうです。
*バーコード付きの納付書であればコンビニで納付することもできます。

 また、納税日は、次のようになって います。

 

納付書(現金)による納付期限
     申告所得税  3月15日(月)
     贈与税    3月15日(月)
     消費税(個人) 3月31日(水)
振替納税利用者の口座引き落とし日
     申告所得税  4月22日(水)
   
  消費税(個人) 4月27日(火)
 

納付日に気をつけてください。特に振替納税を選択されていて、振替日に残高不足になりますと、申告期限からの利息(延滞税など)が、かかります。

 昨年、税務署の作成コーナー用パソコンや国税庁のホームページで電子申告以外の申告を行われた方には、「確定申告のお知らせ」というはがきが送られてきます。そこには、「平成21年分の確定申告書の作成に必要な情報のお知らせ」として、青色か白色かなどの申告の種類や予定納税額 などが、消費税であれば、簡易課税選択をしているかなどのが記載されています。

 電子申告の方にも送ってくれると良いのですが。

 もちろん電子申告の方のメッセージボックスにも同様の情報はありますので、それを見て頂ければいいのですが、まだまだ一般的ではなく、皆さんが簡単に使えるようにはなっていません。来年から事務所でも何か方法を考えようと思っています。

 

















 

2月の税務・総務予定
(税務)
*固定資産税(都市計画税)の4期分の納付  通常月末
*税理士記念日                        23日(火)
*贈与税の申告・納付       2月1日〜3月15日
*所得税の申告・納付       2月16日〜3月15日
*個人消費税の申告・納付    1月4日〜3月31日
(総務他)
*平成22年度経営計画の策定
*4月新卒者入社前研修
*人事評価

 

 【今年の確定申告の注意点】

*今年の改正点

1.借入金で住宅を購入された方の税額控除などが改正されています。

2.定額給付金には課税されません。なお、市町村に寄附された方は寄附金控除の対象になります。

3.ご自身で電子申告される方の一回きりの5千円の税額控除が延長されました。

4.不動産所得や事業所得のある方が、昨年(21年)や今年(22年)に土地を購入され ますと、その後他の土地を譲渡した場合に譲渡所得税が減額されることがありま す。必ずお知らせください。

 

*誤りやすい事例(所得税)

 税務署の研修教材で新たに追加された事例から

 

・エコカー補助金は、課税されないのか?

−エコカー補助金は、一時所得になります。他に一時所得がなければ50万円の特別控除がありますので、結果として課税されないかもしれませんが、課税される場合には「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付して申告します。この特例を適用したときは、補助金対象車の取得価額から控除して減価償却費を計算します。

 

・レーシック手術やオルソケラトロジー治療(角膜矯正療法)にかかる費用は、医療費控除の対象にならないのか?

−視力矯正のためのレーシック手術などは、医学的な方法で正常な状態に回復させるものですから、医師の診断または診断の対価と認められ医療費控除の対象になります。 一般のコンタクトレンズや成人の歯列矯正費用が対象にならないのと比較するとこの区分が明確でないように感じます。

 

その他

 

・事業所得者が掛けた所得補償保険の保険料は必要経費か?

−必要経費にはなりません。生命保険料控除となり、保険金を受け取った場合は非課税です。

 

・サラリーマンが他社から引き抜かれて、引抜料や支度金(契約金)を受けたときに給与所得に含めて申告して良いか?

−新たに別の会社と雇用契約を締結する際のこれら収入(契約金)は、雑所得とされます。

 

・生命保険の満期保険金を受け取った人が保険料負担者ではない場合に、一時所得として申告できるか?

−保険金は、保険料負担者から贈与により取得したものとされますので、贈与税の対象となります。奥様が契約者となっている生命保険をご主人の生命保険料控除にしていると言うことは、保険料を支払ったのはご主人となりますので、その後奥様が満期保険金を受け取れば、贈与税が課されます。

 

・宗教法人に対する寄附金は、寄附金控除の対象となるのか?

−宗教法人に対する寄附は、国宝、重要文化財の保護の観点等から財務大臣が指定するものを除き、寄附金控除の対象となりません。騙まされませんように。

 

・所得控除で同居かどうかで控除が相違することがあります。この「同居」については、病気の治療のため1年以上の長期入院の場合に「同居」に該当するか?

−病気の治療のための入院である限り、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、同居に該当します。

 ただし、老人ホームなどへ入所している場合には、その老人ホームが居所となり、同居とはいえません。

 

・定期借地権付建物を購入しましたが、契約によれば、10年後に定期借地権が設定されている土地(底地)を買い取ることを選択できることとされている。

 10年後にその底地を買い取った場合に、その底地の購入に係る借入金は、住宅借入金等特別控除の対象となるか?

−10年後に定期借地権の底地の購入するときに金融機関から借入をした場合でも住宅借入金等特別控除の対象とはなりません。

 

*誤りやすい事例(消費税)

 

・住宅の貸付けのみを行っている人が、新たに課税事業を開始して課税事業者選択届書を提出した場合には、提出した事業年度からではなく翌事業年度から適用されるのか?

−新たに課税事業を開始した日の事業年度から適用される。

 

・委託販売業を行っています。簡易課税ではサービスの第5種事業となるのか?

−卸売りや小売りでもなく、製造でもありません。また、第5種のサービス業の範囲がおおむね日本標準産業分類の大分類ですので、これにも該当しませんので第4種事業となります。

 

・免税事業者が課税事業者になろうと「課税事業者選択届出書」や簡易課税の方が有利だから「簡易課税選択届出書」を提出する場合、提出後の翌課税期間から適用されるが、課税期間の最後の日が日曜日のため月曜日に延長されると考えて良いか?

−この届出書には提出期限がないので、あくまでも課税期間の末日が土曜日、日曜日や祝日であっても、提出期限が延長されることはありません。この場合は日曜日が提出期限になります。

 

 省略
 
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税理士制度−1
 

わが国には、税理士制度があります。税理士制度は、ドイツや韓国にはありますが、ない国も少なくありません。

 

 一方で、基本的に誰でも税務申告を代わって行うことのできる米国などでも近年、法の抜け道を業務として成り立つような制度の限界も指摘されています。

 

 日本では、明治維新ですぐに財政上の切迫した問題を抱えました。昨年連載しましたように年貢から地租などの税制への大転換が図られた時期です。そのため税に対して近代化の早い欧米各国より切迫していましたので、税収の確保がより大きなウエイトを占めました。

 

 わが国の税理士制度がどの様にできたのか。本当に必要なのかを考えながら、税理士制度の歴史からお話をさせて頂くことにいたします。

 

 現在の税理士制度としては、昭和17年に税務代理士法によってはじめて法制化され、昭和26年に税理士法への改組されました。その後、昭和36年、同40年、同55年と平成13年に大きな改正がありました。

 

 何故、税理士制度がわが国の法制度に必要であったかは、それ以前のこの制度の黎明期の話をしなければなりません。

 

 元々は、明治29年、新たに制定された営業税法に関連して税務官吏を退職した人や少しは会計の素養がある人が税務相談を行ったことが、その起源ではないかと言われています(日本税理士会連合会『税理士制度沿革史』3頁、昭和62)。そして次第に納税者も税務相談を依頼するようになり、税務相談等を独立の業とする新たな職業へと発展

していきました。

 そしてこの流れは、大阪地方でやり過ぎた者が出てきたことから、不心得者や不適格者を取り締まるとして、明治45年に「税務代弁者取締規則」を制定しました。スタートは、やはり関西か?

 

 面白いのは、この税務代弁者となる場合の最初の申請は警察署で、運転免許のように免許証の交付がされ、事件簿の備置義務も定められました。今でも業務簿として残っています。 つづく・・

 
 省略
 
 

編集後記 

  あっという間に正月も終わり、もう確定申告時期です。今月号は、行政の対応がどうなっているか確認のために税務署に尋ねましたが、署もすでに臨戦態勢で、電話は殆どつながりません。ところで確定申告を私どもの事務所に依頼される方は早めにご連絡ください。3月5日以降になりますと、税理士報酬に影響して参ります。ご理解のほどお願いいたします。
    
    

           編集発行 株式会社プランニングファイブ