COVID-DATA リンク                          


 P5 NEWS

      SHONAN TAX OFFICE NO.408 
  
 




 
 
令和5年10月1日
 
国外の扶養控除対象者
 

 今月1日からインボイス制度がスタートしました。

 

 平成元年4月から導入された我が国の消費税は、当時欧州の主要国で導入されていた「付加価値税」(VAT)を参考に導入されました。もちろん導入時の混乱を緩和するため日本版の付加価値税もどきとしてスタートしました。

 

 インボイス(invoice)というと、どんな意味を思う浮かべますか。語源から言えばラテン語のinvoiareから来ているとも言われていて、in(中)とvia(経由・道)で送付書(送り状)みたいなニュアンスでしょうか。『新英和大辞典』(研究社5版1112頁)では、「明細記入請求書」とも書かれています。一般には単に「請求書」としているものが多いようです。

 

 ここで使われているインボイスとは、tax invoiceといった方がより正確かも知れませんが、通常発行している請求書であろうが領収書であろが、こだわりません。これって、今までと基本的には変わりません。

 

 インボイス制度と銘打って実施する制度の今までとの大きな違いは、消費税の申告をするという証明資料で、このためにインボイス番号なるものを貰っているか貰っていないかで差を付けるというものです。

 

 最終消費者が負担するという欧州のこの付加価値税では、消費者から頂いたいわゆる消費税から、この取引に伴って支払った消費税を控除して、税として納税することになるため、貰った税と支払った税が分かる税額の記載された書面等を交付することになっています。

 

 すなわちその一枚づつの金額集計して納税するのであれば、それこそが本来のインボイス制度(そのために分かりきった消費税額を記入させます)です。ここに来てインボイス制度がスタートすると言ってもまだ過渡期で、実際は、完全に税の集計で納税する所までは至りません。

 

 これからも期間中の税込売上高を集計する割戻し計算がまだ残りますし、仕入についてもインボイスに記載された消費税額ではなく帳簿記載時に消費税を計算しても良いことになっています。そうしないと記帳が大変です。

 

 本当にインボイスとなるのは、電子インボイスが導入され、電子数字(金額)の集計となるときでしょうか。そうなれば消費者が支払った消費税の徴収漏れは、少なくなるかも知れません。

 

 

10月の税務・総務予定
 

(税務)
*特別農業所得者への予定納税基準額等の通知  16日(月)
*個人住民税第3期分の納付  市町村条例で定める日 通常月末

 

(総務他)
*秋の厚生事業実施
*第2期分労働保険料の納付
  10月31日(火)まで (口座振替日11月14日)


COVID-19関連のデータはホームペー ジに掲載しております
 

 
 

 前記のようにインボイス制度がスタートしましたが、今まで消費税の申告をしている方にはそれ程影響はありません。それでも質問や相談は結構あり、混乱も見られました。通常、考えられるのは、取引先からの取引価格の消費税相当額の引下げ要求で、実際に公正取引委員会で報告されています。

 

 一方驚いたのは、値上げの通知を受ける方もいることです。インボイス制度導入に合わせて、10%の価格アップを求める事例も見うけられました。税率が上がるときには、よくありますが、制度のスタートによる請求は、余り考えていませんでした。

 

 財務省は、9月15日付けでインボイス登録の申請件数が400万者を超え、今まで消費税の申告をしていない事業者のうち110万者の申請があったと公表しました。

 ちなみに令和3年分の消費税の申告件数は、個人110万者、法人190万者で、これから消費税の申告は30%も増加することになります。

 

 国税庁は9月22日のHPに「年末調整がよくわかるページ(令和5年分)」を掲載しました。そういえば、もうすぐ年末調整の資料集めが始まります。

 そこで、少し早いかも知れませんが令和5年分の年末調整についてのお話しです。

 

1 昨年と変わるところ

 

 殆どありませんが、日本国外に居住する親族に係る扶養控除対象者の厳格化が令和2年度の改正(法律8号)によって令和5年分から適用されます。

 

 扶養親族とは、居住者の親族で合計所得金額が48万円以下とされています(所法2@三十四)。この合計所得金額には、外国の家族の国外源泉所得(外国での所得)は含まれません(同三十四の2)。このため国外で一定以上の所得を稼得している国外居住親族でも扶養控除の対象にされているとの指摘を踏まえ、次の要件が設けられました(改正同三十四の二)

 

 扶養控除の対象となる非居住者の年齢は、現行の16歳以上(2008(H20)年1月1日以前に生まれた人)から

 

 16歳以上30歳未満(1994(H6)年1月2日から2008(H20)年1月以前に生まれた人)及び

 

 70歳以上(1954(S29)年1月1日以前に生まれた人)に限定し、

 

 年齢30歳以上70歳未満の非居住者親族は、次に該当する必要があります。

 

 @ 留学により国内に住所及び居所を有しなくなった者(留学ビザのコピー等を提出した者)

 

 A 障害者

 

 B その適用を受ける居住者からその年において生活費又は教育費に充てるために38万円以上の送金額の確認ができるもの

 

 いずれの場合でも、年末調整時には非居住者親族に送金したことを示す「送金関係書類」が必要になります。

 

 


Q1 親族等が契約者となっている生命保険契約等の保険料又は掛金について、生命保険料控除の対象とすることができますか。
 
 

 控除の対象となる生命保険料は、給与の支払を受けている人自身が締結した生命保険契約等の保険料だけに限りません。妻や子が契約者となっている生命保険契約等であっても、その保険料を支払っている場合には、その保険料は生命保険料控除の対象となります。

 

 ただし、通常このような保険料を生命保険控除とはしません。

 

 はっきり支払者といえるとは限らないことや保険金の受け取り時に贈与税が発生することがあるためです。

 


Q2 当社では、12月分の給与を12月16日に支給し、その際に年末調整を終えます。その後、12月24日に従業員Eから、Eの父親が控除対象扶養親族に該当することになった旨の申し出がありました。この場合、どうしたら良いでしょうか。
 
 

 控除対象扶養親族に該当するかどうかは、その年の12月31日の現況で判定することになりますので、Eさんは本年分の所得税について、この父親の扶養控除の適用を受けることができます。

 

 年末調整が終わっていても、Eさんから「給与所得者の扶養控除等異動申告書」を提出してもらえば、翌年1月の「給与所得の源泉徴収票」を交付する時まで年末調整の再計算を行うことができます。

 

 もちろん、年末調整の再計算によらず、Eさんが確定申告によることもできます。

 


Q3 年末調整を終えた後に、従業員Wから12月31日に子が生まれたとの申し出がありました。どうしたら良いでしょうか。
 
 

  年齢16歳未満の扶養親族は扶養控除の対象とはなりませんが、給与等の収入金額が850万円を超える場合など一定の場合に適用がある所得金額調整控除の対象になる可能性はあります。「所得金額調整控除申告書」を提出して貰い年末調整の再計算を行うことができます。

 

 この場合でもWさんが確定申告によることもできます。

 
 一部省略
 
SHONAN TAX OFFICE
(https://www.shonantax.jp/)
 
P5コーナー
(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告のお手伝いをしております。
 
民間給与
 

 9月27日に国税庁は、令和4年分(12月末現在)の「民間給与の実態統計調査」を公表しました(ほかに人事院などもあります)。この調査は、昭和24年から実施され、今年で74回目に当たる歴史のある調査結果です。

 

 これは、民間の従事員1人の事業所から従事員5,000人以上の事業所まで広く調査し、事業所における年間の給与の実態を、給与階級、性別、年齢、勤続年数別や資本金等の規模別にまとめられています。パートやアルバイトなども含まれています。結果として、租税収入の見積り等に役立てているそうですが、興味深い内容でもあります。

 

 12月31日現在の給与所得者数は、

6,000万人(対前年比1.5%減)です。令和4年中の給与総額231兆円(同2.2%増)、源泉徴収所得税額12兆円(同7%増)です。

 

 年間を通して給与を貰っている人は減少しているのに給与総額は増加しています。平均給与・賞与とも2年連続の増加です。

 

 1年を通じた給与所得者数は5,000万人で、男性2,900万人(同1.9%減)、女性2,200万人(同0.1%減)といずれも前年分から減少しました。

 

 一人当たりの平均給与は、

男性560万円(同2.5%増)、女性310万円(同3.9%増)とかなりの格差はあります。

 

 また正社員は、平均給与520万円(同1.5%増)、正社員以外200万円(同2.8%増)です。

 

 なお、給与所得者のうち、年末調整を行った者4,700万人(同1.6%減)で、このうち、配偶者控除又は扶養控除の適用を受けた者は 1,300万人(同5.3%減)だそうです。適用者は3割弱。意外と少ないとみるか多いとみるか。

 

 一部省略

   COVID-DATA リンク                          

 

 


編集後記 もう10月です。長い夏が続きました。四季の移り変わりが待ち遠しい。税務関係では、もうすぐ年末調整の準備が始まります。確定申告と同じ内容ですが、一般のサラリーマンにとっては年末調整で完結するため便利な制度です。今月号は、少し早いですが年末調整を取りあげました。
  。      編集発行 株式会社プランニングファイブ