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SHONAN TAX OFFICE NO.342  
 




 

 
平成30年4月1日
 
平成30年度税制改正
 

 新年度のスタートです。こちらでは、3月に雪が降ったかと思うと、その後はポカポカ陽気が続き、桜の開花が早まったようです。満開の桜を見ると癒やされますが、その後は、梅雨と真夏の日が待っていると思うと憂鬱です。

 

 こちらの桜も、この通信がお手元に届くときには、散ってしまっていそうです。

 

 国土交通省は3月27日に今年(2018年)1月1日時点の公示地価を発表しました。これは、国土交通省が全国2万6千か所に定めた標準値の今年1月1日時点の1uあたりの価格を公示し、特別な事情がない限り適正な取引価格(と見込まれる価格)とされています。

   

 国の公示地価と同じような地価を公表する、都道府県の基準地価があり、毎年7月1日時点の地価が9月頃に公表されます。こちらは全国2万2千か所が対象とされています。

 

 この公示地価については、新聞報道等でもご覧になっていることと思いますが、昨年に比べ、全国平均では、住宅地の平均変動率が昨年の横ばいから10年ぶりに上昇に転じ、商業地は3年連続の上昇、工業地は2年連続の上昇となり、僅かですが、それぞれ上昇基調が見うけられます。

 

 また、三大都市圏では、住宅地、商業地及び工業地のいずれについても、各圏域で上昇し、大阪圏では、住宅地はわずかな上昇ですが、商業地の上昇率は三圏で最も高くなっています。

 

 地方圏でも、住宅地は下落幅の縮小傾向が継続し、商業地及び工業地は26年ぶりに上昇し、こちらも上昇基調となっています。

 

 茅ヶ崎市(標準値39か所)で最も高い公示地価は、茅ヶ崎北口近くの商業地で457,000円で対前年比で0.7%の上昇となっています。ちなみに藤沢市では84件中最も高いのは藤沢駅南口の148万円(昨年比1.4%上昇)です。

 
 
 国土交通省「平成30年地価公示の概要」
 

4月の税務・総務予定

(税務)
*申告所得税等 口座振替日20日(金)
 

*個人消費税等 口座振替日25日(水)
  振替日前に預金残高の確認を!!
 

*軽自動車税の納付 4月1日の所有者に課税 通常5月末日
 

*固定資産税(都市計画税)の第1期分 の納付 4月中において市町村の条例で 定める日(横浜市は5月1日(火)。東京都は7月2日(月)。茅ヶ崎市は5月31日。)
 

*固定資産課税台帳の縦覧
 4月1日から20日又は最初の固定資産 税の納期限のいずれか遅い日以後の日 までの期間
(東京都は4月2日〜7月2日)
 

(総務他)


*新入社員の指導
 

*平成30年度の協会けんぽ管掌の健康保 険料及び介護保険料は、3月分(4月支 払給与)から改定
 

 

平成30年度税制改正

 

 主な経緯は次の通りです。

・平成29年12月22日 平成30年度税制改正の大綱 閣議決定

・平成30年2月2日「所得税法等の一部を改正する法律案」等第196回国会に提出

・平成30年2月28日 衆議院 通過

・平成30年3月28日 参議院 可決・成立

 

 この主な内容は・・

 

個人所得課税

 

○ 給与所得控除・公的年金等控除から基礎控除への振替

・給与所得控除・公的年金等控除の控除額の引下げ(10万円)及び基礎控除の控除額の引上げ(10 万円)

 

○ 給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除の見直し

・給与所得控除の控除額の上限の引下げ(給与収入850万円超は一律195万円(23 歳未満の扶養親族や特別障害者である扶養親族等を有する者等には負担増が生じないよう措置))

・公的年金等控除の控除額の上限設定(公的年金等収入1,000万円超は一律 195.5万円)及び公的年金等以外の合計所得金額が1,000万円超の場合の控除額の引下げ

・基礎控除の見直し(控除額について、合計所得金額2,400万円超で逓減開始、2,500万円超で消失)

 

平成32年分(2020年分)以後の所得税について適用

 

法人課税

 

○ 所得拡大促進税制の改組

・「継続雇用者給与等支給額が対前年度3%以上増加」及び「国内設備投資額が減価償却費の総額の90%以上」の要件を満たす場合等に、給与等支給増加額について税額控除

 

○ 租税特別措置の適用要件の見直し

・賃金引上げや設備投資について一定の要件を満たさない大企業について、研究開発税制その他の一定の税額控除の適用停止

 

資産課税

 

○ 事業承継税制の拡充(平成30年1月から10年間の贈与・相続に対する特例)

・猶予対象の株式の制限(総株式数の2/3)の撤廃、納税猶予割合の引上げ(80%⇒100%)、雇用確保要件の弾力化・複数(最大3名)の後継者に対する贈与・相続への対象の拡大

・経営環境の変化に対応した減免制度創設

 

 この中で改正の柱の一つになる事業承継税制について衆議院の国会審議録から

 

 

○津島委員 ・・事業承継税制についてお尋ねをいたします。・・こうした状況を改善するため、事業承継に係る税制を抜本的に見直したのが本改正案であると認識しておりますが、円滑な事業承継について、この改正案のポイントと、これはぜひ大臣に、事業承継に向けた大臣の決意というものを伺いたいと思います。
 

○麻生国務大臣 中小企業、・・ここで今起きております問題としては、今おっしゃいましたように、 245万人ぐらいの方々が高齢者ということになっていくというのが2025年までに予測されております。日本商工会議所でそのうちの125万から127万の会社が、後継者不足によって、約半数が黒字なんですけれども、黒字でも倒産ということにならざるを得ないという事態で、これは、日本全体にとりましては、法人税や所得の話になってみたり、そこに働いておられる従業員のことを考えますと、そこの所得というものがなくなるということだろうと考えますと、全体に与える影響は極めてでかいというのが私たちの置かれている現状なんだということだ、これが大前提で、私どもとしては、これの対策を考えるということだったので。
 

 ・・現行の税制、今ありますいわゆる事業承継税制というのは、いわゆる猶予の対象となります株式に制限がありますので、いわゆる相続とか贈与のときの税の支払い関係などなどいろいろなものが必要になりますし、今、従業員が百人いればそのうちの八割をそのまま雇用し続けなければならないというような、いわゆる納税の猶予の打切り等々がありますので、そういった意味では、制度の利用が余り進んでいなくて、これまでも事業承継に対しては、策があったんですけれども、平成27年度には5百件、5百10件ぐらいの例しかないということが現状でありまして、これは中小企業庁の調べです。
 

 こういうことがありますので、これを抜本的に拡充することとさせていただいて、猶予対象の株式の制限を撤廃します、贈与、相続税の納税負担は生じないという制度で、これは、財務省の主税局としてはかなり、清水の舞台から飛びおりるつもりの勢いで、これをやらないとどうにもならぬということでやらせていただくことに決めたんですけれども。
 

 また、承継される方々の方に、一人ではなくて複数、最大三名の後継者に対する承継にも対象を拡大をさせていただいております。
 

 また、人手不足という今の状況というのは、できた当時と大分違ってかなり深刻になってきておりますし、設備投資をすることによって、いわゆる人手をロボット化するとかいろいろな形に変えた、そういったものに関しては、人間が二割減っちゃうと対象外になりますということなどもありますので、雇用の確保要件につきましても、いわゆる八割が維持できなかった場合であっても、都道府県等々にきちんと報告をした上で、一定の場合には猶予が継続できるというようにさせていただくというようなことにさせていただいた。衆議院財務金融委員会第3号・平成30年2月21日

 
 省略
 
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ものづくり補助金
 

 今年の2月28日に、中小企業庁より平成29年度の「ものづくり補助金」の公募要領が発表されました。

 ものづくり補助金は、おおまかには今年の8月ぐらいから年末にかけて、機械装置やソフトウェアなどの設備投資をする予定の中小企業が対象となります。

 

 これの主な内容です。

 

 スケジュール

 公募期間・・平成30年2月28日〜4月27日

 採択予定・・平成30年6月中

 投資可能時期・・平成30年7月中旬ぐらいから12月28日

    (小規模型11月30日)

 ※5年間の報告義務があります。

 

 補助対象者

 日本所在の個人事業含む中小企業者

 

 補助上限額・補助率

 1,000万円・対象経費の1/2又は2/3

 

 補助対象経費

 機械装置費(ソフトウェアや工具器 具含む)等

 

 しかし税金による補助金ですから要件は、次のように厳しくなっています。

 

認定支援機関の全面バックアップを得た事業を行う中小企業・小規模事業者であり、次の要件のいずれかに取り組むものであること。

 

@「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善を行い、3〜5年で、「付加価値額」年率3%及び「経営利益」年率1%の向上を達成できる計画であること

 

A「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用した革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、3〜5年、「付加価値額」年率3%及び「経営利益」年率1%の向上を達成できる計画であること。

 等です。

 

 詳細は、中小企業庁のホームページをご覧下さい。

 

  省略
 

編集後記 今月号は、先月末に成立した平成30年度税制改正の概略を取りあげました。この改正に伴う租税増収見込額は、平年度で約1,590億円で、大半は、所得税の増税によるものです。所得税の増税の歩みは顕著で、30年度予算では所得税は19兆円とされています。さて、今まさにお花見シーズン。でも今年のお花見は早めに行かれた方が良さそうです。 

        編集発行 株式会社プランニングファイブ