P5 NEWS     

SHONAN TAX OFFICE NO.307  
 




 

平成27年5月1日
4月からもう夏日
 

 桜前線も例年より早く北上し、連休中は、北海道に移ってしまっているころでしょう。

 4月25日から5月24日までの関東甲信地方の1ヶ月予報では、「向こう1か月の平均気温は、高い確率60%です。降水量は、平年並または少ない確率ともに40%です。日照時間は、平年並または多い確率ともに40%です。

 週別の気温は、1週目は、高い確率70%です。2週目は、高い確率50%です。」とされていますので、ゴールデンウイークの前半は、気温は高めで、後半になると少し下がるという感じになりそうです。

 梅雨の雨量は、北東北と沖縄では多いと予想されています。

 梅雨入りは、沖縄では間もなくで、平年では、5月9日頃(昨年は5月5日でした。)で、関東もそれから一ヶ月後には梅雨入りとなります。

 気象庁では、訪日外国人旅行者の大幅増加に合わせて、災害時に情報を提供するため 『緊急地震速報の多言語辞書』(H27.3.30)を公表しています。

 そこでは、優先度の高い英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、スペイン語、ポルトガル語が表記されてい

ます。ちなみに・・

 

 「地震です。落ち着いて 身を守ってください。」は、

  英語
    An earthquake has just occurred.
   Stay calm and secure your personal safety.
 

 スペイン語
   Acaba de producirse un terremoto.
  Mantenga la calma y protejase.

 

 だそうです。チンプンカンプン。

 

5月の税務・総務予定
(税務)
*特別農業所得者の承認申請期限                 15日(金)
*26年分所得税延納分の納付期限             6月1日(月)
*自動車税の納付    通常月末
*個人住民税特別徴収税額通知             まもなく


(総務他)
*クールビズ等節電対応
*4月分から協会けんぽ管掌の健康保険 料及び介護保険料の改定・5月支払給 与から
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  競馬の払戻金の課税で最高裁は、平成27年3月10日に判断を示しました。ここで、競馬の馬券の払戻金はその払戻金を受けた者の馬券購入行為の態様や規模等によっては、一時所得ではなく、雑所得に該当する場合があり、その場合においては外れ馬券も所得金額の計算上控除すべきだとしました。

 これは、マスコミでも取りあげられていましたのでご存じの方も少なく無いと思います。競馬や競輪をやらない方には、ピンとこないかもしれませんが、言葉は悪いですが、公営ギャンブルも所得が発生すれば所得税が課されます。

 ここで問題となったのは、所得を計算するときに勝馬の払戻金である収入から控除する購入馬券は外れ馬券も含めるのかどうなのかということでした。

 従来の一般的な取扱いは、「競馬の馬券の払戻金、競輪の車券の払戻金等」は、一時所得とされていました(所基通34-1)。これは、一律、かつ、例外なく実施されていました。

 今回は、最高裁の判例として、実務を拘束しますので、国税庁はこれに対応するために、直ちに所管税務官庁宛に出される通達の改正に着手しするとともに、「当該通達の改正は法令解釈の変更に当たることから、少なくとも判決と同様の馬券購入行為の態様、規模等により馬券の払戻金を得ていた方については、その所得を一時所得ではなく、雑所得として取り扱い、法令上、可能な範囲で是正を行うことが適当」だとしたお知らせを公表しました(「最高裁判所判決(馬券の払戻金に係る課税)の概要等について」平成 27 年3月)。

 もう少し説明しますと、問題となった点は、一時所得では、詳細は省略しますが、収入から控除する金額は、当たり券の購入費用だけになります。雑所得だとすれば、外れ券の購入費用も控除できると一般的には考えられています。この違いです。

 そこで一時所得とはなにかと言いますと、所得をその内容から不動産所得であったり、給与所得や事業所得などいくつかに分類し、それぞれにあった計算の仕方を定め、一時所得は、それらの所得以外の所得で、「営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。」とされているものと規定されています(所法34)。そして雑所得は、それら以外のものとされています(所法35)。

 馬券の購入は、好きな馬や過去のデーターからどの馬が勝つかを投票するもので、それぞれの人が考えて購入し、結果として的中すれば、返戻金が手に入るなど、娯楽として意味合いから考えますと一時所得とすることは妥当だといえるでしょう。

 ちなみに、10万円の馬券を購入し、その内の1万円購入した馬券が勝馬となり55万円の払い戻しを得て、この分の所得税を計算しなければならなかったとしますと、

 

 一時所得の金額の計算(所法34,22)
 55万円−1万円(購入馬券)=54万円
 54万円−50万円(特別控除額)=4万円 ・・一時所得の金額
 

 そして一時所得の金額の1/2が、他の所得に合算して税金が計算されますので結果として2万円加算したところで税金が計算されます。

 

 雑所得の金額の計算(所法35)
 55万円−10万円=45万円・・雑所得の金額
 

 これが他の所得と合計されたところで所得税が計算されますので、このような場合には、一時所得の方が有利になります。

 この事案の特徴的なところは、馬券の購入者は、自宅のパソコン等を用いてインターネットを介してチケットレスで機械的に購入していました。市販のソフトを使用して馬券を自動的に購入を繰り返します。このソフトも、馬券の購入代金の合計額に対する払戻金の合計額の比率である回収率を高めるように、インターネット上の競馬情報配信サービス等から得られたデータを自らが分析した結果に基づき、同ソフトに条件を設定してこれに合致する馬券を抽出させ、自らが作成した計算式によって購入額を自動的に算出していました。

 もはや競馬を楽しむということではなく、競馬を手段としてより多くの返戻金を手に入れるために行われていたようです。

 この結果、購入者は、毎週土日に開催される中央競馬の全ての競馬場のほとんどのレースについて、数年以上にわたって大量かつ網羅的に、一日当たり数百万円から数千万円、一年当たり10億円前後の馬券を購入し続けていました。そこには当然のことながら、競馬を楽しむということではありません。

 そして平成19年から平成21年までの3年間は、平成19年に約1億円、平成20年に約2,600万円、平成21年に約 1,300万円の利益を上げていました。立派の営利活動です。

 すなわちこの行為は、反復、継続、営利目的そのもので、裁判所の判断は、法律の定める所から判断しますので、その通りでしょう。

 しかし、そこに問題があることも確かです。国は、一攫千金を夢見る国民の射幸心をあおり公営賭博(競馬は、花札や福引などの「賭博」とはもちろん意味合いは違いますが、競輪・競馬で身をもち崩すということもあるとすればその結果は、同様です。)は、国民の健全な娯楽と言うには問題があることも確かです。少なくともこの問題の本質は、このような購入の仕方を野放しにしたことこそが、責められるべきなのかも知れません。

 税法は、もちろんそちらの方には無力ですが、今後これは、雑所得ではなく事業所得だという考えも当然出ると思います。そうなるとたまたま赤字となった年分の所得計算では、他の所得から差し引かれる恐れもでてきます。それを許さないような対応は考えておくべきなのでは・・・。

 
P5コーナー
(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告のお手伝いをしております。
 
マイナンバーの不思議
 

 今月は、これから会社の事務で問題となるマイナンバー(個人番号)の実務対応を書こうと思ったのですが、これで良いのかと思ってしまいました。

 これは、関係事務を行う事業者に、従業員等から入手した個人番号を記載した源泉徴収票や法定調書を提出させ、行政機関等の社会保障や税に利用し効率的な行政事務を確保するために用いられます。

 反面、事業者に多くの事務負担と責任を押しつけています。行政の効率化は、結果として、国民に跳ね返ってきますので、それはそれで役に立つかも知れませんが、責任を行政などの利用者以上に事務を行う事業者に追わせる制度になっています。

 問題はいくつもありますが、個人の方は、個人の番号管理を徹底するなどというのは、果たしてできるのでしょうか。何故ならば、「個人番号カード」の裏面に、個人番号が記載されています。見せて歩くことはないでしょうが、貸金庫に入れて置くとも思えず、無くしてしまうことも無いとはいえません。皆さんは、今までの住民票コード番号をどうしていますか。私はピンで壁に留めています。殆ど使うことはないというか、使い道がなかったのですが、思い出した頃番号の記載が出てきますのでそのときに利用するだけです。利用の制限を徹底し、利用に重点を置けば何でも事業者の負担に押しつける必要も無かったはずです。事業者にいい加減に扱えといっている訳ではなく、従来通りそれなりの責任はあるのは当然です。いずれにしても個人がうっかり自分の番号を提示してしまっても、それを使えないようにしておけば制度が定着しやすくなるはずです。

 

Q.税や社会保障の関係書類へのマイナンバー(個人番号)の記載にあたり、事業者は従業員等からマイナンバーを取得する必要がありますが、その際、従業員等がマイナンバーの提供を拒んだ場合、どうすればいいですか?

A 社会保障や税の決められた書類にマイナンバーを記載することは、法令で定められた義務であることを周知し、提供を求めてください。それでも提供を受けられないときは、書類の提出先の機関の指示に従ってください。

番号を無くしたときは?

 

 省略

 


編集後記 今年のGWは、長期連休となり、この通信が皆様のお手元に届く頃は、色あせた内容になっているかも知れません。毎月似たり寄ったりの内容ですが、今月も何とか書き上げることができました。世の中はクールビズ。事務所も、もう一度節電を心がけないと。                編集発行 株式会社プランニングファイブ