P5 NEWS         SHONAN TAX OFFICE NO.126 
 




 
平成12年3月1日
銀行課税-一部訂正がありました。スミマセン
 
 先月7日に石原都知事は、突然、「銀行業等に対する外形標準課税の導入について」の構想を発表しました。これが、いわゆる「銀行課税」です。 深い理屈がある様には思えませんが、銀行憎しという国民感情が根底にあるのか反対意見は尻つぼみになっています。この銀行課税は、単に都財源の確保を目的とした法人事業税の課税ベースの拡大です。
 この新課税方式は、簡単に云いますと、その“目的”は、安定的な税収及び税負担の公平性の確保にあるそうです。前半は、税収が欲しいとの理由でしょうから善し悪しは別にしてなりふり構わずに、歳出削減より容易な歳入の増加を求めたという点では理解できます。後半の「税負担の公平性の確保」については、この銀行課税が何と比べたときに公平となるのか良く判りません。
 また、この事業税を払う法人の範囲は、「都内で事業活動を行う法人のうち、銀行業又はこれに類する事業を営むもの。ただし、当該事業年度末の「資金量」の残高が5兆円以上の法人に限る。(都市銀行、地方銀行、信託銀行、長期信用銀行、日本銀行等)」だそうです。私には具体的にはどの銀行が対象となるのかの資料が手元にありませんので良く判りませんが、課税対象は大銀行になるのでしょう。課税の方法は、原則、当該事業年度の「業務粗利益」×3%で税額を計算します。この「業務粗利益」も良く判りませんが、「資金利益」+「役務取引等利益」+「その他業務利益」だそうです。所得課税の変形みたいなようなもので、従来検討されていた外形標準課税とは違うようです(地税72の19)。
 従来の「外形標準課税」は、事業税が所得課税のため、赤字法人には課税できずこの不況期には税収の確保が期待できないところから、何とか税収を増やそうと提案されています。具体的には、企業の(所得+給与総額+支払利子+賃借料)や(家屋床面積と給与総額の組合せ)などを基に課税しようとするなどの四つ案がだされています。

3月の税務・総務予定
(税務)
*贈与税の確定申告期限 15日
*所得税の   〃    15日
*個人消費税  〃    31日
(総務)
*新入社員の受入準備
*勤務評定の作成
 
 地方税は、負担分任思想といい住民が経費を分担するという考え方で課税が行われています。しかし、法人に対する地方税の課税には、法人住民税と事業税(営業税と云っていたときがありました)があり、これらを区分すべき根拠は分かり難いところです。法人住民税は、課税の計算では(損金として)控除できませんし、事業税は控除できます。これは、事業税の課税の目的が、事業を行うことによって地方自治体から各種の行政サービスを受けていることから、応益負担をすべきだという考え方から出てきているようです。しかし地方自治体の歳出の多くは、警察、教育や民生に使われ、そのうちどの程度が事業(営業)をやっていることによって住民税以外のサービスとして応益を得ているかを測ることが出来るのかどうか判りませんが、従来は、それに応じて課税されると考えられていました。多分・・・
 話を戻しますと、明確な理論的裏付けのないまま出てきた東京都の銀行課税は、気がつかないうちに、他の事業者にも広がるのは必然です。本当にそれで良いのでしょうか。
 
 
【続・本年の税制改正】
 多分こう変わるだろうという改正内容のお話です。
 
1.現行の住宅ローン減税が半年延長されます。
 住宅借入金等の年末残高の限度額、控除期間及び控除率が次のように改正
される予定になっています。
      現      行
平成12年居住 平成13年居住
控除期間15年間 控除期間6年間
借入残 控除率 借入残高 控除率
5,000
万円
以下部分




 
6年目
  1%
2,000
 万円
以下部分


 1%
11年
 0.75% 2,000
3,000
万円
以下部分



 0.5%
1215年
  0.5%
 
 
 
      改  正  案
平成12年1月〜
  13年6月居住
平成13年7月〜
  13年12月居住
控除期間15年間 控除期間6年間
借入残 控除率 借入残高 控除率
5,000
万円
以下部分




 
6年目
  1%
2,000
 万円
以下部分


 1%
11年
 0.75% 2,000
3,000
万円
以下部分



 0.5%
1215年
  0.5%
 
 すなわち、平成13年6月まで現行の
15年間の適用ができるということで、建築工期が長期間に及ぶマンションなどでも、時間的な余裕ができるということです。
 ちなみに、3千万円の住宅ローンを30年返済で借り入れた場合には、来年6月まで居住しますと15年間で最大
280万円の控除がありますが、それ以降ですと6年間で140万円になってしまいます。結構大きな話です。
 
2.特定情報通信機器の即時償却制度( 100万円未満の情報通信機器の取得時全額損金算入)は、平成13年3月31日まで適用が延長されます。
 これについては、あまり意見はありません。青色申告が要件なことと、償却資産の対象となるぐらいでしょうか。
 
3.年少扶養の割増控除が廃止されます。
 これは昨年に子育て減税として年齢16歳未満の扶養親族に係る扶養控除の額の割増(10万円加算)の特例としてでてきました。今年の改正で、1年後に敢えなく廃止となり、平成12年分以後の所得控除額は、昨年の48万円が38万円となります。
 この様に少子化対策として昨年導入されたばかりなのに元に戻す税制改正は、理念のない場当たり的な改正だと云われても致し方ないのかも知れません。
 
4.相続税の延納の利子税の軽減がはかられます。
 例えば、不動産等の価額が課税相続財産の価額の75%以上の場合の不動産等部分の税額に係る利子税が年3.6%(現行年4.2%、平成5年4月以降分)に引き下げられます。
 
5.中小企業の貸倒引当金の限度額の計算で1.16倍していた特例が廃止されます。
 企業の方にはあまり関係ないかも知れませんが、我々税理士は、長いことこれでやってきたので計算を間違えないか心配です。


          Corner 

 
 インターネット取引
 
  最近では、インターネットでショッピングする人が増えているようです。あなたの企業もインターネットを活用して販路の拡大を計ってみませんか。 P5では、企業ホームページの作成に応援しています。
 ところで、EUではこのようなインタ−ネット取引に付加価値税を課する方針を固めたそうです。日本ではこれまで、インタ−ネット上での取引(情報など)については、税務当局がその取引を把握しにくく、課税が困難だと云われてきました。
 そこで国税局は、今後、インタ−ネット上の取引についての監視強化(いわゆる”バ−チャル税務署”)を図ることにしたそうです。
 これがうまくいかないと、消費税などの付加価値税などの課税のあり方が大きく変わることにもなりかねません。
 
 
1、今月のパソコン教室は、
  以下省略
 

 編集後記
 確定申告の申告期限まで後2週間となってしまいました。書類の準備がまだの方は、大至急ご用意お願いいたします。3月に入り、外は暖かな春の日差しがあふれ、お花屋さんの店先もカラフルになってきました。でも花粉症の人にとってはこれから大変な季節となりますね。お大事に。
 編集発行 株式会社プランニングファイブ
 

    

Last Updated: 20 /MAR/2000