P5  NEWS       SHONAN TAX OFFICE NO.230
 



 
 
平成20年11月1日
 
セーフティネット保証
 

 北から紅葉前線が南下してきました。今月末には、南関東でも紅葉が見頃になるそうです。

 

 補正予算の成立(9月16日)による中小企業金融政策の中で、中小・小規模企業の資金繰り対策の一環として,緊急保証制度やセーフティネット貸付について早急に効果的な運用となるよう、経済産業省、金融庁及び各信用保証協会並びに関係機関が一丸となって取り組むこととなりました。 

 

 この制度は、先月(10月)31日から1年間の予定で実施されます。従来から中小企業の金融面における保証制度としてセーフティネット保証制度がありましたが、先月末から新たに「原材料価格高騰対応等緊急保証制度」としスタートしました。

 

 保証協会のセーフティネット保証による実績は、今年度9月末までで、

 保証承諾は件数で50万件、
 金額で6兆円、
 保証債務残高は40兆円
 保証先の破綻による代位弁済は、
 

 累計で5千億円(前年比3割近アップ)です。

 

 この度の「緊急保証制度」で新たに4千億円の国費が投入されることになり、セーフティネット保証を別枠で用意されました。

 

 この制度は、市町村長の保証を受けることになります。この保証を受けますと「中小企業制度融資」、「借換融資」や「経営支援融資」などが利用しし易くなります。

 この制度を使って、金融機関からどんどん借金をしなさいと言っているわけではありません。
 

 過去のバブル崩壊後にも、政府は安易に借り入れできる道を開きましたが、そのときは結局焦げ付きが多く散々なものでしたので,今回はそれ程安易に借り入れができるとは思われません。

 緊急・一時的な融資については道を開いたものだと思われますので、保証期間の延

長(最長10年)などをお考えの企業の方は、ご検討ください。

 












 

11月の税務・総務予定


(税務)
所得税の予定納税額の減額申請        17日まで
*所得税の予定納税額の納付 (第2期分) 12月1日まで
*個人事業税の納付(第2期分)         通常月末
(総務他)
労働保険料の延納
 (第3期分割納付) 30日まで
 

 

  10月31日から実施されている緊急対策のセーフティネット保証制度の対象となるのは、主に5号適用(業況の悪化している業種、中小企業信用保険法第2条第4項)だと思われますので、その内容を紹介します。

対象】以下のいずれかの要件を満たす中小企業者です。

@指定業種(545業種で、殆どすべてをカバーしています)に属する事業を行っており、最近3か月間の平均売上高等が前年同期比マイナス3%以上(従来は5%でした)の中小企業者。
A指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者。
B指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間(算出困難な場合は直近決算期)の売上総利益率又は平均営業利益率が前年同期比マイナス3%以上の中小企業者。
[計算例]最近3か月の売上総利益率が33%で、前年同期比が35%だった場合
   (35-33)÷35×100 =5.7%
【手続等】
@市や区の認定を受けてもらいます。
 藤沢市の場合は、「藤沢市生活経済公社」、茅ヶ崎市の場合は、「茅ヶ崎市産業振興課」にお問い合わせください。
 申請書は、それぞれのホームページで入手することができます。
 今月11月申請の場合は、7-9月又は、8-10月が対象になります。試算表等が必要になりますので、ご連絡ください。
A融資を受ける際には、この認定とは別に金融機関及び信用保証協会の審査を受けることになります。
B一般の信用保証枠(2億8,000万円)とは別枠で融資を申し込むことができます。
Cこれらの保証を利用した場合は、一般の保証料よりも安くなります。
 
どうなる相続税
 前にもお話ししましたが、平成21年度税制改正で予定される「事業承継税制」の実施により、相続税の課税方式が現行の法定相続分課税方式から遺産取得課税方式に変わることになっています。多分!!
 来年3月頃に通常国会で通過する?この事業承継税制は、今年の10月に遡って適用されることになっていますので、相続人によっては、今までの法定相続分課税方式の適用を受ける場合よりも相続税額が増えることが予想されます。
 これは納税者に、不利益となる取扱いを法律のできる前に遡及して適用することを禁じた「不利益規定不遡及の原則」の問題が指摘されています。
 しかし、当局は、たとえ遺産取得課税方式によって税額が増える相続人であっても、後継者が事業承継税制の適用を受ける場合には、非後継者も事業承継税制の適用に同意したものと考え、
同原則には反しないと考えている模様です。そうしますと、相続人が改正の予定されている事業承継税制を適用しないのであれば、法律が公布される前の来年の3月までは、今まで通りの計算方法となるなるようです(TAmaster08/10/06参考)。
 
 年末調整
 今年もまもなく年末調整の時期となり、今月から事業所の皆様には「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」などの関係資料を順次配付させていただ
くこととしております。

Q.長く海外勤務していたXさんが今年6月15日に帰国しました。海外勤務中の期間も含めて7月に賞与を支給しました賞与支払い時の源泉徴収は、賞与の算定計算期間のうちか海外勤務期間と居住者になった期間と按分してに計算するのでしょうか。
 

A.Xさんは、帰国したその日から(非永住者以外の)居住者として、居住者になってからのすべての所得(全世界所得)に対して課税の対象になります。すなわち所得源泉地を考慮することなく,他の通常の社員と同様に支給額全額を対象に「賞与に対する源泉徴収額の算出表」の甲欄により,源泉

徴収を行います。

Q.このXさんは、今年度の年末調整の対象となるのでしょうか。
 
 

A.「給与所得者の扶養控除等の申告書」の提出がされていて,帰国後に支払われた給与等の合計額が2,000万円以下であれば,Xさんは年末調整の対象者となります。

 

 Xさんの年末調整で注意する点は次の通りです。

@帰国後に支払われた給与等(6月15日以後に支払われた給与)が対象。
A配偶者控除や扶養控除は、年末の所得要件が満たされれば、非居住者の期間と居住者の期間とで按分するすることなく満額を控除することができる。
B海外勤務中も掛けていた日本の厚生年金は、帰国後に支払った金額のみ社会保険料控除の対象となる。
C日本に残した大学生の息子の国民年金の掛金は、帰国後に支払った金額のみが社会保険料控除の対象となる。
D海外勤務以前から契約していた日本の生命保険会社の生命保険も、帰国前の期間に支払った保険料は生命保険料控除の対象にはならない。

 

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Q&Aコーナー
 今月は、年末調整のQ&Aとします(http://www.nta.go.jp/)。
 

【年末調整の対象となる給与

Q.12月の給与が未払になっています。この未払の給与は、年末調整の対象になりますか。
 

.年末調整は、その年最後に給与を支払うときまでに「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している一定の人について行います。

 年末調整の対象となる給与は、その年の1月1日から12月31日まで(年の途中で死亡により退職した人等については、その時まで)の間に支払うことが確定した給与です。
 したがって、実際に支払ったかどうかに関係なく未払の給与もその年の年末調整の対象となります。
 しかし、当月分の給与を翌月に支払うこととなっているような場合、例えば12月の給与を翌年1月10日に支払ような形態になっている場合には、翌年1月10日に支払う給与については、翌年の年末調整の対象となる給与になります。
 
【中途就職者の年末調整
Q.中途採用のXさんは、今年のはじめは前の会社で給与の支払いを受けていました。この場合には、年末調整ではなく確定申告をしなければいけないのでしょうか。
 

A.1年を通じて勤務している人のほか、年の中途で就職し、年末まで勤務している人についても年末調整の対象になります。

 まず、就職前にその年中に別の会社などから給与の支払を受けたことがあったかどうかを調べます。別の会社に「扶養控除等申告書」を提出して支払を受けた給与がある人については、その別の会社から支払を受けた給与を含めて年末調整を行う必要があります。
 このため、その人が別の会社から交付を受けた「給与所得の源泉徴収票」などを取り寄せて確認します。もし確認できない場合には、年末調整を行うことはできません。
 

年末調整に関するQ&Aは、昨年11月号(No.218)、12月号(No.219)にも掲載しております。そちらも併せてお読みください。

 


編集後記

 冬の足音が聞こえてきそうな今日この頃。真っ赤に色づいた紅葉が過ぎると、もうすぐ冬。経済界もリーマンショック以来、大寒波に突入しています。平成20年度の法人税の税収予想17兆円は、決算ではどのぐらい落ちることになるのでしょうか。       

         編集発行 株式会社プランニングファイブ