P5 NEWS
      
SHONAN TAX OFFICE NO.198
 



 
平成18年3月1日
不可解なこと
 
 個人の確定申告期限も、あと僅かになりました。事務所の中は大量の資料で山積みです。早く資料を頂戴した方については、すでに申告も終わり、資料の返却が始まっています。今年は、不動産の譲渡所得の申告がかなりありました。特に特例を適用する場合には、資料も多く申告書もかなりの分量になります。相続時精算課税制度適用の贈与税の申告も終わりホットしています。申告が期限後になれば取り返しがつきません。
 

 この時期だけではありませんが、世の中不可解なことがなんと多いことか。

○日本航空のお家騒動

○社会保険庁の国保利用の年金
 不払い対策
○天下りに代表される汚職腐敗指数は 先進諸国で最悪
○日本中がイナバウアー一色
○偽造建築に偽造メール
 

 税務の世界でも、まか不思議なことがまかり通っています。

 丁度、昨年の3月号でも書きましたが、税務署名の入っていない納付書は、まずもらえないというこの不可解さ。
 

 そして、その納付書をよく見てください。「領収済通知書」と書いてあり、端っこにカッコ書きでで(納付書)と書かれています。これを見て初めての人は、計算書かなとしか思わなかったと言うことです。

 

 住民税の納付書はどうなっていますか。「領収証書」と書かれています。なぜ分かり易く納付書と書けないのでしょう。向いている先が違う。

 

 国税庁がこのほど出した「平成18年度予算案」では、18度予算額は、前年度より80億円ほど多い7,200億円。このうち、5,800億円は人件費、残りが一般経費だそうです。その中で面白いのが「納税者利便向上経費」なるもの。昨年度より10%アップの200億円。その中身は、e-Tax(国税電子申告・納税システム)やITによる納税者への情報及びタッチパネルによる簡便な申告書作成経費だそうです。経費を掛けなくてもサービスは知恵でも出来ると知らないのでしょうか。

 

3月の税務・総務予定
(税務)
*所得税・贈与税の申告期限・納付期限   15日
*個人消費税の申告期限・納付期限   31日
(総務他)
*新年度の昇級・給与査定
*ホワイトデー義理チョコ対策

 
 今年になって、平成18年度税制改正の話をしてきました。この法律は、定率減税の廃止や役員給与の損金算入制度の見直し等を盛り込んだ「所得税法等の一部を改正する等の法律案」。2月8日に国会に提出され、24日と27日のたった2日間で質疑が行なわれました。3月2日(1日発行なので理屈に合いませんがご容赦を)、衆院財務金融委員会の採決で可決後、本会議に緊急上程され可決、参院に送付され、3月中には成立する見通しです。そして施行は4月1日となっています。なお、
野党からだされた、特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入措置に反対する意見は、可決後の附帯決議には入りませんでした。詳細は、先月号をご覧下さい。
 
 さてもう一つの重要な改正の話を・

【交際費等の損金算入制度の改正】

 交際費等の損金不算入制度について損金不算入となる交際費等の範囲から1人当たり5,000円以下の一定の飲食費を除外するとした改正です。これは、平成18年4月1日開始事業年度から適用されます。早い法人では、3月決算法人の4月支払交際費から適用になります。
 

 さて、交際費は税務上、原則として損金不算入とされています(資本金1億円超の大企業)。これに対し、資本金1億円以下の中小企業については、損金不算入における特例が認められていて、現行は、平成15年度税制改正で、360万円(400万円×90%、400万円以下では9割)が損金算入とされています。

 

  そして、従来の交際費の取り扱いとは別に一人当たり5,000円以下の飲食費(役員間の飲食費を除く)について損金算入を認める規定が設けられます。

これまで、交際費の範囲については、隣接費用である会議費とか福利厚生費とかとの区分が不明確で、税務調査で問題となるケースが少なくありません。交際費については法律では、接待・供応・慰安・贈答とそれに類する費用ですから、法律では殆ど該当してしまいます。そのため法律でない通達で取扱いが定められています。
 

 ここでの問題は、役員間の飲食はダメだとのことで、役員以外が入れば良いと言うことになります。またこれは飲食費として1人5,000円までは、交際費としていても交際費等課税をうけないということです。

 

 例えば、社長がお客さん二人連れて、近くの飲食店でお話ししながら飲食をしたとします。

 支払った金額を、14,175円とします。
この場合、税込み経理ですと、  (借) 交際費14,175 / (貸) 現金14,175
 

 となり、科目としては交際費ですが、交際費課税の計算からは、この部分を除くということです。この仕訳ですと間違いの発生する恐れがありますので、実務的には科目を「会議費」としようと言うことになるのかも知れません。なお、1人5千円の判定ですが消費税込みか、本体価額かの問題があります。従来の取扱いからすると、経理方法によって違うと言うことでしょうが、これって理屈に合いません。

 

 いずれにしても、領収書等で人数が把握できなければ、課税される交際費(面倒ですので、正確さを犠牲にして交際費とさせて貰います)となります。「おじちゃん、人数増やした領収書書いておいてよ」なんて言うのが判れば脱法行為になります。念のため。
 「この店は、1人5千円で打ち切り、次の2次会に行こう」とこうなるとどうでしょう。同じ店で飲み直し。よくある話。
 

 政令が出ないとよく分かりませんが、飲食5千円以下は、何でも良いというのは交際費課税の趣旨に合いません。会議をするためであれば割り切りで良いよと言うのは判ります。何でもかんでも飲食は良いよとはおかしな話です。会議費との区分についてなら判りますが。

 

 また、この規定は飲食に限られますので、3千円のおみやげは、やはり交際費となります。得意先の弔事に添える5千円の香典も交際費。どうも変です。

 

 お客さんに行く。このときにケーキ屋さんでケーキを買っておみやげに持って行った。交際費。それを、そこの会社の人と丁度人数分持っていったので会議室で食べた。これって何?交際費?多分どのように取り扱うことにするのかはこれから判ってくると思いますが、最後は常識人としての判断になります。おみやげ屋で買っても飲食のためであれば、出前と一緒でしょう。

 

 そうすると、「食べたことにしたらどうですか?」と。事実が何かの問題です。事実認定と言いますが、結局はそこ。これも常識にお任せします。

 
SHONAN TAX OFFICE
(http://www.shonantax.com/)
P5コーナー
(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告のお手伝いをしております。



 
 
消費税
 
 今年から、個人の消費税の申告をされる方が増えました。
 

 個人の場合には、法人と違い難しい問題があります。なお、消費税の対象になるかどうかは、“事業として対価を得て行う”かどうかが一つのポイントになります。

 

 飲食店を営んでいる人が消費税の計算をしているとします。

 @ 課税年度にテレビを売ったとします。あまりない事例でしたが、これは消費税の対象になりますか。
 A たまたま、ゴルフ会員権を売ったとします。これって課税ですか。
 B車を100万円で売却したとします。事業には6割使っています。この場合は?
 

【解答】@のテレビの売却ですが、生活用に使っていたテレビであれば、消費税の課税売上にしなくて結構ですが、お店で使っていた場合には課税対象。

 Aのゴルフ会員権の売却は、通常生活用資産になり課税対象にはなりません。
 Bの車の売却ですが、サラリーマンが行う車の売却は生活用資産の譲渡で課税対象にはなりませんが、この場合6割が事業に使っていますので、その部分は課税対象です。土地・建物の売却も同じですので、要注意。
 

誤りやすい消費税の事例

 

* 居住用アパートで、不動産所得がありました。居住用ですので、収入部分は非課税でした。このアパートを売った場合にはどうなりますか?

 誤りの多い解答は、居住用だから非課税だと。しかし事業用資産の譲渡ですので課税になります。アパート収入のみ非課税です。
 

*ビール券・図書券を売っている場合は、非課税売上です。売上の際にポイントやスタンプをつけた場合ですが、ポイントをつけたときは関係なし。200円の物を120円のポイントで80円貰ったときは、その

80円が課税売上です。
 

省略

 


 編集後記  
梅が咲き、もうすぐ桜の季節です。あれだけ寒かった冬も終わり、北の地方では雪解けの季節。それはそれで又大変でしょう。事務所では、春と言うより夏を先取りしに南の島に行ってきます。世の中、ろそろ花粉症!!お気をつけ下さい。
  編集発行 株式会社プランニングファイブ