P5 NEWS
      
SHONAN TAX OFFICE NO.197
 



 
平成18年2月1日
ライブドア
 

お正月が過ぎたと思ったら、もう2月。これから個人の所得税・消費税の確定申告が始まります。面白いことに所得税の申告・納付期限は3月15日、消費税は3月末と違います。しかし消費税の計算ができないと所得税の決算が決まりませんので、通常一緒に申告を済ませてしまいます。

 

 今年の申告は、老年者控除が無くなったり、消費税の納税義務者の範囲が広がったりで、かなりの申告件数が増加するようです。税金の計算に有利不利があっては良くないのでしょうが、現実には色々な場面で出てきます。その一つが消費税です。簡易課税の方が有利だと思えば、その選択をしておかなければなりませんし、納税義務免除事業者の場合に免除されない方が有利だと思えば課税選択の届出を前もってしなければなりません。しかし目先のことだけ考えると結局有利ではなかったということにもなりかねません。株の譲渡申告も有利不利があります。税理士、本人でない代理人の身、先のこと迄は判らないのが実際です。

 

 最近、税理士が頻繁に出てくる話題にライブドア事件があります(無理に流れを作っていますが)。ライブドア(LD)についての法的な解明はこれからで、まるでワイドショウとなった報道番組やスキャンダル好みの新聞報道では何が真実かは良くわかりませんが、どこが問題となるのかは、興味のあるところです。

 

 IT業界の寵児としてもてはやされたLDも、看板事業のボーダルサイトの利益よりほとんどは分割や買収を絡ませた金融部門によるものでした。どうもピンときませんが、会社の利益とは、物を売ったりサービスを提供して稼ぎ出す物と思っていましたが、今では子会社株の売却益やMSCB(転換価額修正条項付・・社債)の引き受けによるる利益を得るための投資銀行業務が大きなウエイトを占めている会社も少なくありません。

 実際のところは判りませんが、LDでは、自己株式の売却益を営業利益に付け替えたようです。自己株式の売却は法人の利益とはなりません。
 

2月の税務・総務予定
(税務)
*固定資産税(都市計画税)の第4期分の納付 条例で定める日( 通常月末)
*税理士記念日   23日
*贈与税の申告・納付        2月1日〜3月15日
*所得税の申告・納付        2月16日〜3月15日
(総務他)
*平成18年度経営計画の策定

 
 ちょっと難しくなりますが、自己株式(会社が自分の会社の株を購入すること)を8,000で取得したとします。そしてこの部分の資本金は、5,000だとし
ますと、会計上は、
自己株式 8,000 / 現金7,400
  ↑       預り金600(注)
資本の部
(注)みなし配当といって配当とみなされる金額があります。簡単に計算しますと
   (8,000-5,000)×20%=600
 この自己株式を10,000で売ったとします。2,000儲かったからこれが利益となるかといえば、そうはいきません。
 会計上は、次のようになります。
現金 10.000 /  自己株式 8,000
            自己株式処分差益2,000
                ↑
              資本の部
  結局は、損益に影響しないことになります。ただし,LDについては、組合を介していますので、単純にこの様に考えて良いかどうかは不明です。 18年度、改正税法の続きを・・・
 法案の内容は、まだ公表されていませんが、少し判ってきたところから・
 

1.一部役員給与の損金不算入

 

前回お話しした内容に若干訂正があります。

 法人税法35条が「特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入」として現行法と大幅に変わるようです。
 特殊支配同族会社がその会社の業務主宰役員に支給する一定の給与のうち給与所得控除額に相当する額(政令で書かれるようです)については、損金の額に算入しないというものです。
 

 特殊支配同族会社・・次の同族会社  

法人を主宰する個人である役員の持ち株数
  会社の株数
     
        
その役員と特殊の関係にある者(業務主宰役員関連者)
 の持ち株数の総数
  ≧ 90%

 
 かつ、
 

  業務主宰役員+業務主宰役員関連者の数   >50%

      常勤役員の数
 

 これに該当する同族会社は、次の要件(政令に書かれるようです)に該当しなければ加算です。

 この要件は、
イ 直前3年内の(所得金額+業務主宰役員の給与の額)の年平均額が800万円以下 あるいは
ロ 直前3年内の(所得金額+業務主宰役員の給与の額)の年平均額が800万円超3,000万円以下で、その平均額中の給与の額が50%以下の場合
 すなわち加算されるのは、業務主宰役員分だけで、前月号では関係者である奥様分給与も加算対象だとお知らせいたしましたが、主宰役員の一人のみとなるように読み取れます。そうすると社長の給料を下げて、奥さんの給料を上げたらどうかとか言う方も出てきます。またその役員が2箇所で業務主宰をしていたらどうなるかとか、株の持ち合い、貸し借りなどをしたらとか話題に上っています。
 

2.役員賞与の損金算入

 従来役員賞与は、通常損金になりませんでした。会社法も変わりましたし、それにもまして会計上の考え方が変わり、役員賞与も費用となったことにより、税務上もそれに対応しています。
 法人税法34条で、損金不算入とする
ものとして、

 

二 その役員の職務につき所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与(政令で定めるところにより納税地の所轄税務署長にその定めの内容に関する届出をしている場合における当該給与に限るものとし、定期同額給与及び利益連動給与(・・)を除く。)
 

とされています。何を言っているかと言いますと、役員賞与については、前もってその額を税務署に届け出ろと。実際どのようになるかはまだ判りませんが、夏期賞与はすぐ来ますので対応しなければなりません。

 

3.非永住者の定義の改正

 外国人のビジネスマンが、数年前に東京事務所に転勤になり、日本の給与の外に外国でも給料を貰っています。また外国にアパートを持っていて家賃が入っています。この場合に日本でどの所得に課税されるでしょうか。
 通常これは日本の居住者になり全ての所得に課税されますが、日本独特の制度で「非永住者」というものがあり、従来は、日本で働く人のうち永住の意思がなく継続して日本に住んでいる期間が5年以内である場合には「非永住者」とされ、日本国内の所得には課税されるものの、母国にある預金の利子や不動産賃貸収入など、日本国外で得た所得には課税しないとされていました。このため5年になりそうだと一度外国に帰ったり、日本人も永住する意思はないなどとしてこの制度を適用した人もいたようです。これが改正され、非永住者制度の対象を、居住者のうち、日本国籍を有しておらず、かつ、過去10年間のうち5年以下の期間、国内に住所又は居所を有する個人とすることとされました。

 

 

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(株)P5では、経営計画策定、保険・不動産等の資産運用、相続対策業務、パソコ ンの購入及び指導、貴社のホームページの作成・ドメインの取得、計算書類の公告 のお手伝いをしております。
確定申告
 2月は確定申告がスタート。2月1日から平成17年分の贈与税の申告受付けが、所得税の確定申告は、16日からです。個人事業者の消費税(及び地方消費税)の申告受付けはすでに、1月4日からスタートしています。
 国税庁は、自宅や事務所などからインターネットを通じて申告や納税などができる国税電子申告・納税システム
(e―Tax)の利用をPRしています。電子認証ICカードが必要だったり、利用勝手が悪く利用者は増えていません。
 その他に便利なのが、国税庁のホームページの“申告書の作成”で申告書を作成し、それを打ち出して郵送する方法があります。簡単な内容で慣れている方なら使えるかも知れません。
 ただし、難しくなると余計な時間がかかり、結局申告内容が不十分になることも有りますので、その時には税理士事務所に頼んだ方が無難です。PRになってしまいました。
 株の譲渡がある方は、内容によっては複雑になります。今年から申告が始まる取得対価1,000万の非課税制度は、これから3年間で選択したものから適用されます。どのように選択するかを決めていただかないと申告できませんので、前もって整理してください。
 誤りの多い事例
* 寡婦控除の誤り
 老年者控除が無くなりましたので、  65歳を超えても適用があります。
*配当所得の源泉徴収税額の誤り
 所得税の源泉徴収税額は10%ではなく、7%です。3%は地方税。
 
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 編集後記  
 事務所でも確定申告業務が始まりました。顧問先の方以外は、申し訳ありませんが、2月中に資料をお持ち下さい。提示されていない資料については、申告の要不要の判断ができません。今年は消費税の申告が必要な方が増えますので早めにお願いいたします。
  編集発行 株式会社プランニングファイブ