P5 NEWS      SHONAN TAX OFFICE NO.166
 




 

平成15年7月1日
生保予定利率引下

 

 梅雨の真っ直中。毎日,暗い雲に覆われ,そのうえ,蒸し暑さで気が滅入る日が続いています。でも,もうすぐ夏です。今年の夏は,クルージング教室,消費税改正教室&暑気払い等企画しておりますので,ご参加下さい。
 ところで,生保業界では,保険業法改正が予定され,生保予定利率引き下げ法案が今国会で審議され,すでに衆議院を通過しております(6月12日)。
 これは,生命保険会社が契約者に約束した運用利回り(予定利率)を引き下げられるようにするもので,生保経営を悪化させている運用実績が予定利率を下回る「逆ざや」の改善のためだとされています。
 予定利率が引き下げられれば、契約者にとって受け取り保険金の削減や保険料の増額につながります。
法案は、
@ 予定利率引き下げは破たんの可能性がある生保だけが申請できる
A 申請後は解約を一時停止
B 引き下げ後の下限利率は3%
C 総代会の4分の3(株主総会の3分の2)が賛成し、契約者の異議申し立てが1割以下にとどまれば実施するとしています。
 

 一般的生保会社の契約日別   予定利率(有配等終身保険)















 
 契 約 日  予定利率
S57.12.1〜   S60.4.1    5.00%
 
S60.4.2〜   H5.4.1    5.50%
 
H5.4.2〜   H6.4.1    4.75%
 
H6.4.2〜   H8.4.1    3.75%
 
H8.4.2〜   H11.4.1    2.75%
 
H11.4.2〜   H13.4.1    2.00%
 
H13.4.2〜    1.50%
 
  皆さんの生保の契約は,何時でしょうか。

7月の税務・総務予定
(税務)
*源泉所得税の納付
 (納期の特例含む)  10日
*所得税予定納税額の
 減額承認申請     15日
 予定納税額の納付   31日
*固定資産税の第2期分納付   通常月末
(総務他)
*社会保険算定基礎届
  今年から1月早まりました。
*夏期休暇の予定
 
 予定利率引下法案の趣旨は,生保が破綻すれば契約者が損をする、だから予定利率を引き下げて、少しでもその損を小さくというものですが,「国民の9割が加入する生保の契約内容を、会社の都合で変更するのはおかしい」と反対意見も出されています。経営者の責任をどうするのか,金融機関などの株主を守れば,契約者には損をさせても良いのかなど問題は少なくありません。今後とも注視していきたいものです。
 このビジネスレターをお送りしております韓国税務士会のLuck Changさんから,毎年『Korean Taxation』をお送り頂いております。ここに感謝を申し上げますと共に,お送り頂いた2003年最新版から韓国の相続税についてご紹介させて頂きます。
 韓国の相続税もわが国と同様に,被相続人の遺産額を課税標準として,相続税の総額をだし,それに相続人等が取得した遺産額で按分する遺産取得課税をとりつつ遺産税の性格をも持っています。相続税の税率も財産が大きくなればなるほど高率になる累進課税となっていますので,同じ財産額を相続した場合に被相続人の財産が多ければ多いほど払う相続税額は高くなります。
1.韓国の相続税率(1 won=0.1円とし
ます。以下同じです)
 取得価額   税率
 1,000万円以下   10%
〜5,000万円以下   20%
  〜1億円以下   30%
  〜3億円以下   40%
 3億円超〜   50%





 
【参考】日本の相続税率(15年改正後)
 取得価額   税率
 1,000万円以下   10%
〜3,000万円以下   15%
〜5,000万円以下   20%
〜1億円以下   30%
〜3億円以下   40%
 3億円超〜   50%

2.納税義務者
 相続又は遺贈により財産を取得した個人又は法人が納税義務者(Taxpayer)になります。ただし営利法人は相続税が免除されます。すなわち,公益法人,財団や社団が納税義務者という意味だと思われますが,わが国では,相続税を払うのは個人に限定されています(相法1の3)。
3.課税標準
 相続開始時に残された財産(遺贈も含まれます)に相続開始前10年以内に相続人に贈与した財産と相続開始前5年以内に相続人以外の親族に贈与した財産を加えたものが相続税の課税価額となります。わが国では,相続又は遺贈により財産を取得した者に対する贈与で3年以内のものに限られる(相法19)ことからすると,かなり課税ベースが広がっています。しかしわが国でも今年から相続時精算課税制度ができましたので,3年以上前の贈与も相続財産となる場合もあります。
3.控除
 韓国の相続税の控除は,複雑です。
 控除には,@一般控除,A個別控除,B一括控除,C配偶者控除,D金融資産控除,E負債控除があり詳細に規定されています。わが国では基礎控除に若干の非課税を設けていることからしますと,かなり詳細に規定されています。
 @一般控除には,公租公課,葬式費用(50万円〜100万円)や証明しうる債務が定められています。これは,わが国の債務・葬式費用の控除と同様なものです。
 次にA個別控除ですが,これにはわが国の基礎控除と同じbasic deduc-
tionとして2,000万円が控除されます。
わが国では,[5,000万円+1,000万円×法定相続人の数]からするとかなり少なくなっていますが,その他にも控除が多く一概には言えません。興味深いのは,基礎控除付加控除として事業(family business)相続が1,000万円,農業,漁業などの相続では2,000万円が追加控除されます。個別控除には,このほかに未成年者控除,老人控除や障害者控除が予定されています。これらの控除は,被相続人と同居家族にも適用されます。わが国では,相続または遺贈により財産を取得した人が該当するかどうかで決められるのと較べますと家族単位を重視した税制になっているようです。また,機会があれば紹介させていただきます。
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     SHONAN TAX OFFICE
     税理士 中江 博行
     税理士 大野千寿子
     スタッフ一同
☆書籍販売
 中江博行著
『会社分割税制の基本構造』(税務経理協会,2003.5,定価2,500円)を特価で販売しております。
 ご注文は,中江事務所
 
P5コーナー
(株)P5では、経営計画策定、 保険・不動産等の資産運用、
相続対策業務を行っております。


総報酬制

 

 今夏のボーナスの支給はもうお済みですか?支給額が昨年と同じでも、今年は手取金額がずいぶん少なくなります。
 これは、この4月から「総報酬制」が導入され、月々の給与に対する保険料率を少し下げた代わりに、ボーナスにも、給与と同じ料率を適用することになったからです。
 今迄のボーナス(賞与)から控除されていた社会保険料は、「特別保険料」と言い、健康保険・厚生年金合わせて、支給額の0.8%(事業主負担は1%)でした。例えば支給額が100万円の場合には、控除額は8,000円です。
 総報酬制の導入により、健康保険は支給額(1,000円未満切り捨て)の4.1%、同じく厚生年金保険は6.79%となりますから、100万円の支給額から控除される保険料は、なんと108,900円!!(事業主も同額の負担増です。)
 その差は10万超にもなります。
 ただし、その分所得税の負担が少なくなりますので、手取金額が10万円超減るわけではありません。
 これまでは、賞与から控除される社会保険料の率が低いために、年収に占める賞与の割合を大きくしていた企業もあったと思いますが、これからは少し変わってくるかもしれません。
 例えば、対象となる賞与の上限が、健康保険では2,000,000円、厚生年金保険では1,500,000円となっていますので、賞与の支払い回数を減らす代わりに、一度に支払う金額を増やして、上限以上にしてしまえば、保険料はそれ以上控除されることはありません・・・。
 賞与支払い時の届け出は、総額でなく個人別になります。また、事業主にとっては、賞与にかかる社会保険料の負担が多くなる等、資金繰り、予算管理の面で、昨年と違うことが多いので十分に気をつけてください。

1、今月のパソコン教室は、
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 編集後記  
 暗い話題が多い中、18年ぶりという阪神の大活躍で、うっとうしい梅雨もしばし忘れてしまいそうです。このまま頑張って日本の経済再建のお手伝いをして欲しいものですね(隠れ阪神ファン)。梅雨が明けたら、ヨットクルージング&バーベキューを楽しみませんか?興味のある方は、中江又は大野までご連絡ください。
    編集発行 株式会社プランニングファイブ