P5 NEWS      SHONAN TAX OFFICE NO.158
 




 

平成14年11月1日

休眠会社

 

 全国の法務局では、先月から5年以上登記のない株式会社、いわゆる“休眠会社”の整理を行っています。これは商法第406条の3の規定に基づくもので、本年10月1日の時点で最後の登記から5年を経過している株式会社は、本年12月2日までに登記の申請または「まだ営業を廃止していない」旨の届出をしない限り、解散したものとみなされ、職権で解散の登記が行われます。

 ご存じのように、株式会社の取締役の任期は2年とされ、その交替重任の場合、その旨の登記が必要ですので、少なくとも2年に1回は登記がなされなければなりません。この登記がされていないと、すでに営業を廃止し、実体のない会社となっている可能性が高く、このような会社をそのままにしておくと、いろいろな弊害がでるため、法務局では、5年に1回程度、休眠会社の整理を行っています。

 対象になる会社は、株式会社(有限会社は対象外です)で、5年以内に登記簿謄本や代表者の印鑑証明書の交付を受けたかどうかは,関係がありませんので、謄本を見て確かめて下さい。

 該当する会社へは、法務局から通知が届き、12月2日までは「まだ営業を行っている」旨の届出ができます。 また,登記所からの通知のはがきが何らかの理由で届かない場合にも,手続は進められますので,注意が必要です。このような会社が、なにも届出や登記などしませんと、職権で解散させられます。ただ解散後3年間は、株主総会の特別決議により、会社を継続することができます。http://www.moj.go.jp/MINJI/minji45.html

商法406条の3「最後ノ登記後五年ヲ経過シタル会社ハ本店ノ所在地ヲ管轄スル登記所ニ未ダ営業ヲ廃止セザル旨ノ届出ヲ為スベキ旨ヲ法務大臣ガ官報ヲ以テ公告シタル場合ニ於テ其ノ公告ノ日ニ既ニ最後ノ登記後五年ヲ経過シタル会社ガ同日ヨリ二月内ニ法務省令ヲ以テ定ムル所ニ依リ其ノ届出ヲ為サザルトキハ其ノ会社ハ其ノ期間満了ノ時ニ解散シタルモノト看做ス但シ其ノ期間内ニ登記ヲ為シタル会社ニ付テハ此ノ限ニ在ラズ」


11月の税務・総務予定
(税務)

*所得税の予定納税        減額申請 15日
                          納付 12月2日
*個人事業税(第2期分)の納付     通常月末
(総務他)
*年賀状の準備
*年末賞与の査定

 

 ちなみに、前記のように株式会社の取締役の任期は2年ですが、監査役の任期は、従来の3年から4年に変更になりました。

 これは、今年(平成14年)5月1日施行の商法改正で変更されたものです。

 チョット難しくなりますが、改正法附則第7条で、「この法律の施行の際現に存する株式会社の監査役で、この法律の施行後最初に到来する決算期に関する定時総会の終結前に在任する者の任期に関しては、この法律の施行後も、なお従前の例による。」と規定されています。すなわち、今年5月1日以後の最初に到来する決算期に係る株主総会で選任される監査役から適用されますので、現任の監査役の任期は、自動的に延長されるわけではなく、旧法が適用されということです。

 例えば、現在の監査役が、平成13年に就任し、任期は平成16年11月の株主総会まで(3年)だとします。この場合には、在任中は任期4年は適用されませんので、平成16年11月の株主総会で選任される監査役から任期が4年となります。それまでに定款変更をすることになりますが、早めに変更しておいた方が良いでしょう。

 現任・新任監査役により任期が異なる場合も考えられますので注意が必要です。詳しくは、司法書士さんにお尋ねください。

 

【連載:外国人の法務Q&A】

Q1.当社従業員(国内)を、1年以上勤務させる予定で、パリ支店に転勤させることになりました。この従業員の給料・賞与は、日本国内の銀行口座に振り込むことにしています。源泉徴収を行う必要がありますか?

A.日本国内に住所も、1年以上居所も有しない「非居住者」に該当しますので、国内において行う勤務に起因しない給与は、国内源泉所得になりませんので、支払の際に所得税の源泉徴収を行う必要はありません。なお、一部を留守宅に払い、残りを外国勤務地で受け取る場合も見受けられますが、非居住者が、外国勤務により支払を受けるのですから、留守宅への支払いも含め、源泉徴収する必要はありません。

 

Q2.上記の事例で、4月に赴任させたとします。今年の年末には日本にいませんので、通常12月に行われる年末調整は出来ませんが、本人に確定申告をして貰うのでしょうか?

A.年の途中で海外に赴任する従業員の場合には、出国時に年末調整してあげて下さい。この場合に注意して頂きたいのは、その従業員が継続して1年以上の予定で海外に転勤する場合などは「非居住者」になりますので、出国時に年末調整をすることができますが、11ヶ月の予定など非居住者とならない場合には、出国時に年末調整することができませんので、確定申告をして貰うことになります。

 

Q3.上記の例と逆に、1年以上の期間、外国から日本に勤務している外国人が、1年に1回休暇をとり一時帰国する場合に、往復の航空券代を国内の会社が負担することがありますが、課税関係はどの様になりますか?

A.ホーム・リーブの旅費の取扱いに関する質問ですが、支出する航空券代等が合理的な範囲内で有れば原則として課税されません。

 非課税となる範囲をもう少し詳しく説明しますと、次のような場合です。

@就業規則等に定められていること

A概ね1年以上の期間ごとのホーム・ リーブであること

B日本と当該国との間の往復の旅費であること

C最も経済的、合理的な経路、方法である部分の金額に限られること

 なお、家族と一緒にホーム・リーブする場合には、家族全員の旅費が対象になります。

 

Q4.当社の従業員を10ヶ月間、サンフランシスコ支店に勤務させることにしました。海外勤務中の給与は、すべてドル建てで払うことにしています。

A.11ヶ月の海外勤務と言うことですので、居住者に該当しますので、支払の際に所得税の源泉徴収をしなければなりません。ですが、外貨建てですので、源泉徴収税額をどの様に計算するかは通常の円建てよりチョット面倒になります。通常は、支払期日の電信買い相場(TTBといいます)で、外貨をまず、円に換算して源泉徴収して下さい。

 

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  SHONAN TAX OFFICE

     税理士 中江 博行

     税理士 大野千寿子

     スタッフ一同

P5コーナー
(株)P5では、経営計画策定、 保険・不動産等の資産運用、 相続対策業務を行っております。

 

源泉徴収制度

 

 所得税においては、税を負担すべき納税義務者が自ら申告し納付する、申告納税制度を原則としていますが、この例外として源泉徴収制度があります。 この制度は給与所得、利子所得及び配当所得などの特定の所得については、納税義務者が直接に申告納付をするのではなく、これらの所得の支払者が源泉徴収義務者として、その支払の際に所得税額に相当する金額を支払い金額から天引きして国に納付するシステムです。

 例えば、給与、報酬などを支払う際に、本来の納税義務者(従業員等、弁護士、税理士、司法書士など)は直接に手続きをすることなく、これらの所得の支払者(会社)が源泉徴収義務者として、所得税額に相当する金額を支払い金額から徴収し、納付しなければなりません。

 この制度が設けられた主な理由は、@徴税が確実であること、A徴税費用がかからず経済的に便利であること、B支払段階で徴税されるため納税に対する苦痛が少ないことなどです。逆にこの制度の問題点としては、@源泉徴収義務者に対し多大な負担をしいること、A所得税の一部を本来の納税の申告期限(3月15日)前に前取りしてしまうので納税面において不公平感を抱かせることなどがあり、これが憲法に違反しないかが争われた事例(最高裁昭和37年2月28日判決)がありますが、この制度によることが最も合理的であり、その事務負担も軽微であるとして憲法違反ではないとされました。

 この制度では、本来の納税義務者は国に対して直接納税義務を負担せず、第三者である源泉徴収義務者が徴収・納付の義務を有することになります。ですから、給与等の支払の際に源泉所得税を徴収しなかったり、徴収した金額が少なかったような場合には、源泉徴収義務者である支払者に対しペナルティが課されることになります。

 実務の現場で見ていますと、パート・アルバイトの人からの源泉徴収もれが目立ちます。

 源泉徴収納付義務者は、支払者です。

 

1、今月のパソコン教室は、

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 編集後記  高く澄み渡る青空、行楽の季節ですね・・・。今年も後2ヶ月となりましたが、相変わらず慌ただしい毎日を送ることになりそうです。
  編集発行 株式会社プランニングファイブ